全国通訳案内士の通訳案内研修とは?5年ごとの受講義務

通訳案内士の5年ごとの研修を表したアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が観光庁・日本政府観光局(JNTO)など公的機関の公開情報を調べて独自に執筆しています。記事内に資格講座・オンライン英会話への案内(広告)を含みます。

全国通訳案内士に登録したあと、「研修を受けないといけない」と聞いてあわてた。
『いつまでに?どこで?受けないとどうなるの?』と、気になることが次々に出てきますよね。

結論から言うと、全国通訳案内士には5年に1度、登録研修機関が行う通訳案内研修を受ける義務があります。
この記事では、通訳案内士の研修の期限と受ける場所、受けなかった場合のこと、新人研修との違いをお伝えします。

目次

通訳案内士の研修(通訳案内研修)とは?

先に結論

通訳案内研修は、全国通訳案内士が5年ごとに受ける義務のある研修です。
観光庁が登録した研修機関(登録研修機関)が行います。

通訳案内士の研修と一口に言っても、実はいくつかの種類があります。
ここで取り上げるのは、法律で受講が義務づけられた「通訳案内研修」です。

この義務は、2018年1月4日に施行された改正通訳案内士法で始まりました。
同じ改正では、業務独占の規制がなくなり、名前を使う規制だけが残っています。

項目内容
正式な名前通訳案内研修
対象全国通訳案内士
頻度5年に1度
実施するところ観光庁長官の登録を受けた登録研修機関
主な中身旅程管理の実務や災害時対応などの通訳案内の実務
受けないと都道府県が登録を取り消すことがある

登録研修機関とは?

登録研修機関は、旅程管理の実務や災害時対応などの通訳案内の実務について、定期的な研修を行う団体として観光庁長官の登録を受けたところです。
一覧は観光庁がPDFで公開しています。

くわしくは、観光庁の通訳案内研修のページで確かめてみてください。

どんな団体があるかは、通訳案内士の団体の解説でも紹介しています。

いつまでに・どこで・受けないとどうなるかの確認表

先に結論

初回の期限は登録した時期で決まり、2回目以降は前回の受講日から5年を超えないうちに受けます。
受けないと、登録を取り消されることがあります。

ここが大事なところです。
研修の義務は「いつまでに」「どこで」「受けないとどうなるか」の3つを押さえれば迷いません。
この記事では、この3つを1枚の表にまとめてみました。

確かめること答え自分で確かめる場所
いつまでに(2018年1月4日より前に登録した人の初回)2023年1月3日まで観光庁の通訳案内研修のページ
いつまでに(2回目以降)前回の受講日から5年を超えない期間まで自分の前回の受講日
どこで観光庁が登録した登録研修機関観光庁が公開する登録研修機関の一覧
受けないとどうなるか都道府県が登録を取り消すことがある登録している都道府県
取り消されたあと取り消しから2年間は再登録できない観光庁の改正通訳案内士法の概要
通訳案内研修のいつまでに・どこで・受けないとどうなるかを1枚にまとめた図解

2018年1月4日以降に登録した人の初回の期限や、申し込みの方法は、受講する登録研修機関の案内で確かめてください。

自分の期限を確かめる手順

期限は人によって違うので、自分の日付で確かめておくのが一番確実です。
次の順番で、手元の情報を見てみてください。

自分の研修期限を確かめる手順
  1. 登録証で、全国通訳案内士として登録した日を確かめる
  2. 2018年1月4日より前の登録か、それ以降の登録かを見る
  3. 研修を受けたことがある人は、修了を示す書類で前回の受講日を確かめる
  4. 前回の受講日から5年を超えない日を、カレンダーに書き込む
  5. はっきりしない点は、登録研修機関か登録している都道府県に聞く

例えばこんな聞き方をすると、話が早く進みます。
「登録日は登録証に書いてあるのですが、私の次の研修の期限を確かめる方法を教えてください」

研修を受ける機関の選び方

登録研修機関はいくつもあり、日程や研修の形がそれぞれ違います。
優劣ではなく、自分の予定に合うかどうかで選ぶのが現実的です。

研修機関を選ぶときに見るところ
  • 期限より前に受けられる日程があるか
  • 対面かオンラインか、自分が参加しやすい形か
  • 対面の場合、会場まで無理なく行けるか
  • 申し込みの締め切りと方法
  • 受講料などの費用(各機関の案内で確かめる)

受けないと、どのくらい困る?

『少し遅れても大丈夫かな』と考える方もいるかもしれません。
ただ、受けないと都道府県は登録を取り消すことができ、取り消されると2年間は再登録できません。

登録がなくなると「全国通訳案内士」と名乗れなくなります。
仕事の予定がある方は、とくに期限に余裕をもって受けておきたいところです。

研修の期限を忘れないためのチェック
  • 前回の受講日(初めての人は登録日)をメモしている
  • その日から5年後の日付をカレンダーに入れている
  • 期限の1年前に、登録研修機関の日程を見る予定を入れている
  • 修了を示す書類をなくさない場所に保管している
よくある失敗

期限ぎりぎりに探し始めて、受けたい研修の日程が合わないこと。
研修の日程は登録研修機関ごとに違うので、早めに候補を2〜3つ見ておくと安心です。

通訳案内研修ではどんなことを学ぶ?

先に結論

観光庁の説明では、旅程管理の実務や災害時対応などの通訳案内の実務を学ぶ研修です。
具体的な内容や形は、登録研修機関ごとに案内されています。

ガイドの現場では、名所の説明だけでなく、旅程どおりにツアーを進めることや、思わぬことが起きたときの対応も求められますよね。
通訳案内研修は、こうした実務を学び直すための研修なんです。

例えばこんな場面を想像してみてください。
ツアーの途中で大雨になり、予定していた庭園の見学ができなくなった。
旅行者に事情を説明し、代わりの行き先や集合時間を伝え直す必要があります。

こうした判断は、試験勉強だけではなかなか身につきません。
5年ごとに学び直す機会があることで、現場での対応を見直せます。

例えばこんな場面もあります。
集合時間になっても旅行者の一人が戻ってこない。
ほかの旅行者を待たせながら、連絡を取り、旅程をどう組み直すかを決めなければなりません。

こうした実務は、経験を重ねるほど自己流になりがちです。
研修で基本を確かめ直すことで、ほかのガイドのやり方を知るきっかけにもなります。

試験の「通訳案内の実務」とのつながり

全国通訳案内士試験の筆記にも「通訳案内の実務」という科目があります。
出題範囲は、旅行業法や通訳案内士法の基本、旅程管理の基礎、災害時などの危機管理の基礎などです。

試験の範囲は原則として、観光庁の「通訳ガイドテキスト(初版)」です。
研修と扱う分野が近いので、試験のときのテキストを読み返しておくと研修の理解も進みやすくなります。
科目の中身は通訳案内の実務の解説で紹介しています。

研修の前に読み返したいテキストの部分書かれていること
第1編 通訳案内に関する実務・関係法令通訳案内士法・旅行業法・旅程管理の実務
第2編 危機管理・災害発生時等における対応危機管理と事前調査、災害時の対応、コンプライアンス
第4編 コミュニケーションと活躍機会伝え方、仕事の獲得ルート

テキストは観光庁のウェブサイトで公開されています。
研修の前に目次だけでも見直しておくと、話についていきやすくなりますよ。

学び直しの方法

研修以外でも、語学や説明の力は使わないと落ちてしまいます。
勉強の進め方に迷ったら、講座やオンライン英会話を比べてみるのも一つの方法です。

通訳案内士ドットコム

独学に不安があるなら、講座やオンライン英会話を比べてみませんか

和文外国語訳の添削や口述試験の練習相手など、独学では用意しにくい部分だけでも講座やオンライン英会話を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通訳案内士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

新人研修とはどう違う?

先に結論

新人研修は、関係団体が最終合格者向けに任意で行う研修です。
受講は義務ではなく、5年ごとの通訳案内研修とは別ものです。

『合格したら新人研修の案内が来たけれど、これも義務?』と迷う方も多いですよね。
観光庁の資料では、関係団体(登録研修機関)は最終合格者を主な対象に、通訳案内の基礎知識を身につける新人研修会を毎年開いているとされています。

ただし、新人研修は各団体が任意で行う独自の研修です。
受講は義務ではなく、受けたかどうかは都道府県での新規登録に影響しません。

5年ごとの通訳案内研修と任意の新人研修の違いを比べた図解
通訳案内研修(定期研修)
  • 法律で受講が義務づけられている
  • 全国通訳案内士が5年ごとに受ける
  • 受けないと登録を取り消されることがある
新人研修
  • 受講は義務ではない(任意)
  • 最終合格者を主な対象にしている
  • 受けなくても新規登録に影響しない

新人研修の形は団体ごとに違います。
対面の講義、バスや徒歩での実地研修、オンラインや動画、エージェントとの名刺交換会などがあります。
受講料や受講資格は、各団体に問い合わせて確かめてください。

合格してから受ける研修を時期で並べると

2つの研修は、受ける時期で考えると混乱しにくくなります。
合格してからの流れに当てはめてみましょう。

時期受けられる研修義務かどうか
最終合格の直後関係団体の新人研修会任意
都道府県に登録したあと通訳案内研修(初回)義務
前回の受講から5年以内通訳案内研修(2回目以降)義務

『新人研修を受けたから、通訳案内研修は受けなくていい』とはならない点に気をつけてください。
新人研修はあくまで任意の研修で、5年ごとの義務とは別に数えます。

地域通訳案内士の研修は?

地域通訳案内士には、法律上の定期研修の義務はありません。
ただ、観光庁の指針では、自治体が自主的に定期研修を行うことが望ましいとされています。

登録の手続きそのものは、全国通訳案内士の登録手続きで順番に紹介しています。

研修についてよくある相談

先に結論

多いのは「期限までに受けないと資格がなくなるか」「初回研修とは何か」「今はガイドをしていなくても受けるのか」の3つです。

質問サイトでよく見かける相談を、要約してお答えしますね。

相談1「期限の1月3日までに受講が終わらないと、資格はなくなる?」

2018年1月4日より前に登録した人は、2023年1月3日までに受講が必要でした。
受けなかった場合、都道府県は登録を取り消すことができます。

取り消された場合、取り消しから2年間は再登録できません。
期限を過ぎてしまった方は、登録している都道府県に今の状態を確かめてみてください。

相談2「初回研修って何のこと?」

ここでいう初回は、5年ごとの通訳案内研修の1回目のことと考えられます。
2回目以降は、前回の受講日から5年を超えない期間までに受けます。

合格直後に案内される新人研修とは別のものなので、混同しないようにしましょう。

相談3「合格して登録したけれど、今は本業があってガイドをしていない。研修は受けるの?」

研修の義務は、全国通訳案内士として登録している人にかかります。
ガイドの仕事をしているかどうかではなく、登録しているかどうかで考えると分かりやすいですよ。

ガイドをしていない期間が長い方ほど、研修は現場の感覚を取り戻すよい機会になります。
旅程管理や災害時の対応は、制度や考え方が新しくなっていることもあるからです。

『いつか再開するときのために』と考えて、期限に余裕をもって受けておくと、再開の一歩が軽くなりますよ。

なお、施行要領では登録に期限はないとされています。
当面ガイドをしない方は、登録の時期を含めて考えてみてください。

全国通訳案内士の資格そのものは、全国通訳案内士とは何かの解説で確かめられます。
通訳案内士の全体像は通訳案内士とは何かの解説もどうぞ。

よくある質問

通訳案内研修は何年ごとに受けますか?

5年に1度です。2回目以降は、前回の受講日から5年を超えない期間までに受講します。

通訳案内研修はどこで受けられますか?

観光庁長官の登録を受けた登録研修機関が行います。一覧は観光庁がPDFで公開しているので、日程や形を比べて選んでみてください。

新人研修を受けないと登録できませんか?

新人研修は団体が任意で行う研修で、受講の有無は都道府県での新規登録に影響しません。

通訳案内研修はオンラインでも受けられますか?

研修の形は登録研修機関ごとに案内されています。オンラインで受けられるかどうかは、受講したい機関の案内で確かめてください。

地域通訳案内士にも研修の義務はありますか?

法律上の定期研修の義務はありません。ただ、自治体が自主的に定期研修を行うことが望ましいとされています。

まとめ

この記事の要点
  • 全国通訳案内士は、5年に1度、登録研修機関の通訳案内研修を受ける義務がある
  • 2回目以降は、前回の受講日から5年を超えない期間までに受ける
  • 受けないと登録を取り消されることがあり、取り消しから2年間は再登録できない
  • 新人研修は任意で、新規登録に影響しない
  • 地域通訳案内士には法律上の定期研修の義務はない
通訳案内士ドットコム

通訳案内士ドットコム 編集部

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