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日本の観光地を、自分の母語で案内してみたい。外国籍の方や海外に住む方から、そんな声を聞くことも増えています。
結論から言うと、外国人も通訳案内士になれます。全国通訳案内士試験は国籍に関係なくだれでも受けられ、合格後に都道府県で登録すれば全国通訳案内士と名乗れるんです。
この記事を読むと、日本に住んでいる場合と海外に住んでいる場合で、受験と登録の手順がどう変わるかが分かります。
外国人も通訳案内士になれる?まず結論から
JNTOの施行要領では、全国通訳案内士試験は年齢・性別・学歴・国籍などに関係なく、どなたでも受験できるとされています。外国籍の人も、日本人と同じ試験を受けて、同じように登録できます。
『外国人だと受けられないのでは?』と心配していた方も、まずは安心してくださいね。
全国通訳案内士は、通訳案内士法にもとづく国家資格です。試験は観光庁長官が行い、日本政府観光局(JNTO)が毎年1回実施しています。
| 確かめたいこと | 外国籍の人の場合 |
|---|---|
| 受験できるか | 国籍に関係なく受験できる |
| 受ける試験 | 日本人と同じ全国通訳案内士試験 |
| 合格後の手続き | 居住地の都道府県知事あてに登録を申請 |
| 名乗れる名前 | 登録後は全国通訳案内士 |
試験の科目や日程の全体は全国通訳案内士試験とはで詳しく見られます。
外国人の案内は、資格がなくてもできる
もう1つ知っておきたいのが、2018年1月4日施行の法改正です。
この改正で業務独占がなくなり、資格がなくても有償で通訳案内ができるようになりました。ただし、「全国通訳案内士」「地域通訳案内士」や似た名前は、資格を持つ人しか使えません。
資格を取ると名前で信頼を示せる、と考えると分かりやすいですよ。
日本に住む人と海外に住む人で、手順はどう変わる?
ここが、外国人の方がいちばん迷いやすいところです。
結論から言うと、受験の手続きはどこに住んでいても同じで、違いが出るのは合格後の登録なんです。
| 手順 | 日本に住んでいる人 | 海外に住んでいる人 |
|---|---|---|
| 申し込み | マイページから電子申請 | マイページから電子申請 |
| 必要なもの | 本人のメールアドレス | 本人のメールアドレス |
| 筆記試験の受験地 | 札幌市・仙台市・東京近郊・名古屋市・大阪近郊・広島市・福岡市・沖縄県から選ぶ | 同じ受験地から選び、日本で受験する |
| 口述試験の受験地 | 英語・中国語・韓国語は東京近郊・大阪近郊・福岡市、ほかの言語は東京近郊 | 同じ受験地で受験する |
| 合格証書 | マイページで交付 | マイページで交付 |
| 登録の申請先 | 住んでいる都道府県 | 日本に住む代理人の住所地の都道府県 |
| 登録の申請時 | 本人が手続きをする | 代理人も都道府県の窓口に出向く |

海外に住む人は、登録の時に日本に住む代理人が必要になります。ここを知らずに合格してから慌てる方もいるので、早めに考えておきましょう。
海外に住む人の代理人とは
施行要領では、代理人になれるのは原則として次のどちらかの人です。
- 全国通訳案内士などの手配を行っている人
- 合格者と手配の契約(条件付きを含む)を結んでいる人
個人でも法人でもかまいません。申請の時は代理人も都道府県の窓口に出向く決まりなので、日程の相談もしておきたいですね。
「合格してから代理人を探せばいい」と後回しにしてしまうことです。登録に期限はありませんが、名乗れるのは登録してからです。案内の仕事を始めたい時期から逆算して準備しておきましょう。
日本に住んでいる人の登録の流れ
日本に住んでいる外国籍の方は、日本人と同じく、住んでいる都道府県で登録を申請します。
- マイページで最終合格と合格証書を確かめる
- 住んでいる都道府県のページで、窓口と必要書類を調べる
- その都道府県のやり方(窓口・郵送・オンライン)で申請する
- 全国通訳案内士登録証を受け取る
例えば長野県は、2026年4月1日から登録のオンライン申請(抹消を除く)に対応しています。郵送の場合は、顔写真付きの身分証明書の写しが必要です。
京都府など一部の府県は、登録の事務を関西広域連合に移しています。
手数料や書類も都道府県ごとに違うので、お住まいの都道府県のページで確かめてみてください。手続きの全体は全国通訳案内士の登録手続きでまとめています。
登録したあとも5年ごとに研修がある
全国通訳案内士は、登録したあと5年に1度、観光庁が登録した研修機関の通訳案内研修を受ける義務があります。
受けないと都道府県が登録を取り消すことができ、取り消しから2年間は再登録できません。海外に住む方も、受講の時期を早めに確かめておきましょう。
外国籍の人が受験の前に確かめたいこと
申し込みはインターネットの電子申請だけで、紙の願書はありません。受験票や結果の通知、合格証書の交付もすべてマイページで行われます。
- JNTOの施行要領で、その年度の日程と科目を確かめる
- 本人のメールアドレスでマイページを作る
- 選ぶ外国語と受験地、免除の申請を入力する
- 免除に使う証明書をPDFやJPEGにしてアップロードする
- 期限までに願書を出して受験手数料を支払う
- 承認メールで「願書承認」になったことを確かめる
2026年度の施行要領では、願書申請期間は6月1日から7月9日23時59分(日本時間)でした。翌年度の日程は毎年JNTOが施行要領で公表するので、受ける年度のものを確かめてください。
- メールアドレスは本人のものを使い、ほかの人と重ねない
- 代理人による申請はできないので、本人が手続きをする
- 複数申請するとすべて無効になるので、1回だけ申請する
- 願書承認のあとは、外国語・受験地・免除の変更ができない
- 支払いはクレジットカードかコンビニで、支払い後は返金されない

日本の地理・歴史などの科目もある
『外国語が母語なら、試験は楽なのでは?』と思う方もいるかもしれません。
実は、筆記試験は外国語のほかに、日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務の4科目があります。日本の観光地や文化を説明するための知識が問われるんです。
| 科目 | 時間 | 満点 | 合格基準点(原則) |
|---|---|---|---|
| 外国語 | 90分 | 100点 | 70点 |
| 日本地理 | 30分 | 100点 | 70点 |
| 日本歴史 | 30分 | 100点 | 70点 |
| 一般常識 | 20分 | 50点 | 30点 |
| 通訳案内の実務 | 20分 | 50点 | 30点 |
まずはJNTOの過去問ページで、日本地理と日本歴史を1回分ずつ解いてみてください。問題の形や、どんな知識が問われるかが見えてきます。
母語を生かすなら、言語選びと免除を確かめる
試験の外国語は、英語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・中国語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・韓国語・タイ語の10言語です。二カ国語での受験もできます。
母語が10言語のどれかなら、その言語で受けることを考える方が多いはずです。ただ、受験手数料は一カ国語ごとにかかるので、二カ国語で受けると倍になります。
| 言語 | 外国語の筆記が免除になる資格の例 |
|---|---|
| 英語 | 実用英語技能検定1級、TOEICの一定の点数(公開テストのみ) |
| 中国語 | 中国語検定試験1級、HSK6級180点以上、TOCFL Level6精通級 |
| 韓国語 | 「ハングル」能力検定試験1級、TOPIK6級 |
| スペイン語 | スペイン語技能検定1級、DELE C1・C2 |
| ポルトガル語・ロシア語・タイ語 | ほかの試験による免除はない |
免除は自動では受けられず、願書申請期間内に証明書をアップロードして申請します。免除があっても受験手数料は減りません。
言語ごとの違いは通訳案内士試験の外国語10言語で比べています。
言語ごとの受験者数も見ておく
JNTOの公表値で2025年度の結果を見ると、言語ごとに受験者数も最終合格率もかなり違います。
| 言語(2025年度) | 受験者数 | 最終合格者数 | 最終合格率 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 3,180 | 500 | 15.7% |
| 中国語 | 268 | 29 | 10.8% |
| 韓国語 | 82 | 12 | 14.6% |
| スペイン語 | 118 | 20 | 16.9% |
年度によって数字は変わるので、1年分だけで判断しないようにしてくださいね。
口述試験は選んだ外国語で行う
筆記に合格すると、10分程度の口述試験に進みます。選んだ外国語で、日本語の読み上げを訳して質疑をする問題と、テーマを選んで説明するプレゼンテーション問題の2題です。
例えば、こんな場面を想定して練習しておくと役立ちます。
「この神社では、なぜ入口で手を洗うのですか?」
「お参りの前に心と体を清めるためなんです。やり方をお見せしますね」
日本の習慣を、旅行者の目線で分かりやすく話せるかが大事なんです。勉強の進め方に迷ったら、講座やオンライン英会話を比べてみるのも一つの方法です。
通訳案内士ドットコム
独学に不安があるなら、講座やオンライン英会話を比べてみませんか
和文外国語訳の添削や口述試験の練習相手など、独学では用意しにくい部分だけでも講座やオンライン英会話を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通訳案内士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。
住んでいる地域で案内したいなら、地域通訳案内士も
『全国の試験の前に、まず住んでいる街で案内してみたい』という方もいますよね。
その場合は、地域通訳案内士という資格も選べます。自治体が行う研修を受けて登録すると、その地域の中で地域通訳案内士として案内できるんです。
| 比べる点 | 全国通訳案内士 | 地域通訳案内士 |
|---|---|---|
| なり方 | 国家試験に合格して都道府県で登録 | 自治体の研修を受けて登録 |
| 案内できる範囲 | 全国 | 登録した地域の中 |
| 外国語 | 試験の10言語から選ぶ | 地域の特性に合わせて設定 |
| 募集 | 毎年1回の試験 | 時期や方法は地域ごとに違う |
観光庁の資料では、令和8年4月1日時点で43地域に導入されています。募集の時期や条件は各自治体に問い合わせてみてください。
全国通訳案内士までの流れを順番に知りたい方は、通訳案内士になるにはも参考になります。
外国人の通訳案内士についてよくある相談
ここでは、外国人の方や、外国人旅行者と関わる人から出る相談を要点だけまとめて答えます。
通訳案内士は、日本に来る外国人に日本を紹介する仕事?
通訳案内士は、日本に来る外国人に日本を紹介する仕事なのか、それとも外国に行く日本人に外国を紹介する仕事なのか、という相談です。
結論から言うと、日本に来る外国人旅行者を案内する仕事です。通訳案内士法の目的も、外国人観光旅客への接遇を良くして、国際観光を盛り上げることとされています。
試験の科目が日本地理や日本歴史なのも、日本の観光地を外国語で案内するためなんですね。
外国人観光客と関わる活動をしている。資格を目指すべき?
外国人観光客と関わる活動をしていて、通訳案内士の資格に興味がある、という相談です。
すでに旅行者と話す機会があるなら、その経験は口述試験の準備にもつながります。まずは過去問で筆記の4科目を確かめ、どれくらい勉強が要りそうかを見てみてください。
住んでいる地域の案内に興味があるなら、自治体の研修で登録する地域通訳案内士の募集を調べるのもおすすめです。
日本語が母語でない場合、どこでつまずきやすい?
日本語が母語でない方からは、日本語で問われる科目が不安だという声もあります。
施行要領やガイドラインで決まっているのは科目の内容までなので、まずは過去問のPDFを開いて、問題文の形を確かめてみてください。
日本地理や日本歴史は、観光地の名前や時代の呼び方を日本語と母語の両方で覚えておくと、口述試験でも説明しやすくなりますよ。
よくある質問
外国人でも全国通訳案内士試験を受けられますか?
受けられます。JNTOの施行要領では、年齢・性別・学歴・国籍などに関係なく、どなたでも受験できるとされています。
海外に住んでいても登録できますか?
できます。日本に住む代理人を決めて、代理人の住所地の都道府県に登録を申請します。申請の時は代理人も都道府県の窓口に出向きます。
申し込みを家族や知人に代わりにしてもらえますか?
電子申請は代理人による申請ができません。本人のメールアドレスを使い、本人が手続きをします。
試験はどこで受けますか?
筆記試験は札幌市・仙台市・東京近郊・名古屋市・大阪近郊・広島市・福岡市・沖縄県から選びます。口述試験は英語・中国語・韓国語なら東京近郊・大阪近郊・福岡市、ほかの言語は東京近郊です。
母語の言語で受けたら、外国語の試験は免除になりますか?
母語であることだけでは免除になりません。免除は、言語ごとに決まった検定や試験の合格証明などを、願書申請期間内に申請した場合に限られます。
まとめ
- 外国人も、国籍に関係なく全国通訳案内士試験を受けられる
- 申し込みはどこに住んでいても本人の電子申請だけ
- 海外に住む人は、日本に住む代理人を決めて登録を申請する
- 筆記は外国語のほか、日本地理・日本歴史・一般常識・実務の4科目
- 母語が10言語にあれば、その言語での受験と免除を確かめる





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