通訳案内士の勉強法|独学で合格を目指す計画の立て方

通訳案内士の勉強法と計画の立て方を表したアイキャッチ

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通訳案内士の試験を受けると決めたものの、科目が多くて何から手をつければいいか迷いますよね。

結論から言うと、通訳案内士の勉強法は「自分が受ける科目の数」を先に決めて、そこから時間を割り振るのがいちばん迷いません。
免除を使えるかどうかで、受ける科目の数が大きく変わるからです。

この記事では、科目ごとの時間配分を決めるワークシートと、筆記5科目・口述試験それぞれの勉強の仕方、試験日から逆算した計画の立て方をお伝えします。

目次

通訳案内士の勉強法は「受ける科目の数」から決める

先に結論

全国通訳案内士の勉強は、筆記5科目と口述試験が基本です。
ただ、免除を使うと受ける科目が減るので、まず自分の科目数を確かめることから始めます。

『5科目全部を同じように勉強しないといけない』と思っていませんか。
実は、持っている資格によっては、受けなくていい科目があるんです。

2026年度の施行要領では、筆記試験は次の5科目です。

科目時間満点合格基準点(原則)免除になる主な資格
外国語90分100点70点英語は英検1級、TOEIC公開テストの一定の得点など
日本地理30分100点70点総合・国内旅行業務取扱管理者の試験合格
日本歴史30分100点70点歴史能力検定の日本史1級・2級など
一般常識20分50点30点大学入学共通テスト「現代社会」80点以上など
通訳案内の実務20分50点30点他試験による免除はなし

合否は科目ごとに合格基準点が決められていて、すべての科目が基準点に達しているかで判定されます。
つまり、得意科目で苦手科目を補うことはできません。

免除の有無で変わる受験科目の例

同じ英語で受ける方でも、持っている資格で受ける科目の数はかなり変わります。

状況筆記で受ける科目科目数
免除なし外国語・地理・歴史・一般常識・実務5科目
英検1級あり地理・歴史・一般常識・実務4科目
英検1級と旅行業務取扱管理者の試験合格あり歴史・一般常識・実務3科目
前年度に一部の科目に合格合格した科目以外人による

前年度の筆記で合格した科目は、次の年度に限り免除申請できます。
どの免除も自動ではなく、願書申請期間内に申請が必要なので、免除制度の一覧で条件を確かめておきましょう。

免除でも口述試験は受ける

筆記の科目がいくつ免除になっても、口述試験は受けます。
勉強の計画には、口述の練習の時間も最初から入れておきましょう。

科目ごとの時間配分を決めるワークシート

先に結論

受ける科目を書き出し、過去問の点数と合格基準点との差を見て、差が大きい科目から時間を多めに割り振ります。

科目数が決まったら、次は時間の割り振りです。
ここで役に立つのが、次のワークシートなんです。

ワークシートの使い方
  1. 受ける科目を書き出す
  2. JNTOの過去問で各科目を1回分解き、点数を書く
  3. 合格基準点との差を計算する
  4. 差が大きい科目から順に、勉強時間の割合を多くする
  5. 1か月ごとに過去問を解き直して、割合を見直す

例えば、英検1級を持っていて英語の筆記が免除になる社会人の場合は、次のように書き込みます。

受ける科目過去問の点数合格基準点差時間の割合の目安
日本地理書き込む70点書き込む差に応じて決める
日本歴史書き込む70点書き込む差に応じて決める
一般常識書き込む30点書き込む差に応じて決める
通訳案内の実務書き込む30点書き込む差に応じて決める
口述試験の練習点数なし原則7割なし筆記の勉強中から少しずつ

英語以外の言語で受ける場合の書き方

英語以外の言語で受ける方も、ワークシートの使い方は同じです。
外国語の行を足して、過去問の点数と合格基準点の70点との差を書き込みます。

中国語や韓国語などには、検定の1級などで筆記が免除になる言語もあります。
ポルトガル語・ロシア語・タイ語は他の試験による免除がないので、外国語の筆記も受ける前提で計画を立てましょう。

差が同じくらいなら、満点が100点の地理と歴史に多めの時間を割くのが一つの考え方です。
一般常識と実務は満点が50点で、20問程度なので、範囲を絞ると短い時間でも伸ばしやすくなります。

免除の有無で受ける科目を決め、過去問の点数から時間配分を決めるワークシートの図解

過去問はJNTOの過去問ページで、2022年度から2026年度までの年度別に、言語別・科目別のPDFが公開されています。
使い方は過去問の使い方の解説でも詳しく紹介しています。

よくある失敗

得意な科目ばかり勉強して、苦手な科目が基準点に届かないまま試験を迎えることがあります。
科目ごとの合否なので、苦手科目を基準点まで上げることを優先しましょう。

筆記5科目それぞれの勉強の仕方

先に結論

地理と歴史は観光地と結びつけて覚え、一般常識は観光白書と時事に絞り、実務は通訳ガイドテキストを読み込みます。
外国語は、日本のことを外国語で説明する力を中心に鍛えます。

『どの科目から手をつければいいの?』と迷ったら、ワークシートで差が大きかった科目からで大丈夫です。
科目ごとに出題の考え方が違うので、勉強の仕方も変えるのがコツです。
観光庁のガイドラインをもとに、科目ごとのやり方をまとめました。

科目出題の考え方勉強の仕方の例
日本地理外国人観光旅客の関心が強い観光資源に関わる基礎知識白地図に観光地を書き込む
日本歴史観光資源に関わる事柄と、今の日本人の生活につながる事柄観光地を時代順に並べる
一般常識前年度の観光白書の主要施策や、新聞1面で大きく扱われた時事観光白書の施策を要点だけ読む
通訳案内の実務法令の基本、旅程管理、国別・文化別の特徴、危機管理の基礎通訳ガイドテキストを章ごとに読む
外国語読解・訳す力・日本文化等の説明力・語彙力過去問で4題の弱いところを見つける

日本地理の勉強の仕方

地理は30分で30問程度、地図や写真を使った問題も含まれます。
地名だけを覚えるより、白地図に観光地を書き込んで、場所と一緒に覚えるのがおすすめです。

例えば、ある温泉地を覚える時に、同じ県のほかの名所も一緒に書き込みます。
地図の上で名所がつながると、写真の問題にも対応しやすくなります。

詳しくは日本地理の解説で紹介しています。

日本歴史の勉強の仕方

歴史も30分で30問程度で、地図や写真を使った問題があります。
寺社や城などの観光地を時代ごとに並べて、「この時代にはこの観光地」とセットで覚えてみてください。
地理の勉強とも重なるので、効率が上がります。

歴史は、今の日本人の生活や文化、価値観につながる事柄も出題の考え方に含まれています。
年中行事や暮らしの習慣が、いつ頃どう始まったのかも意識して読むと、口述の題材にもなりますよ。

一般常識の勉強の仕方

一般常識は20分で20問程度です。
試験実施年度の前年度に発行された観光白書のうち、外国人観光旅客の誘客に効果的な主要施策などが出題の例に挙げられています。

観光白書は全部を読み込もうとすると大変ですよね。
施策の見出しと要点だけをノートに書き出し、新聞の1面の大きな話題と合わせて押さえておきましょう。

通訳案内の実務の勉強の仕方

実務は20分で20問程度で、原則として観光庁が令和7年4月に発行した「通訳ガイドテキスト(初版)」が試験範囲です。
テキストは観光庁のサイトで公開されているので、章ごとに読んで、過去問で出た箇所に印をつけていきます。

テキストには、通訳案内士法や旅行業法、旅程管理、災害時の対応、外国人ごとの生活文化への対応などがまとめられています。
仕事に出てからも使う内容なので、試験のためだけでなく、ガイドの基礎として読んでおくと役に立ちますよ。

外国語の勉強の仕方

外国語の筆記は90分で、読解・外国語文和訳・和文外国語訳・外国語での説明の4題を基準にしています。
過去問を1回分解いて、どの題で点を落としているかを先に確かめましょう。

英語で受ける方は、英語の勉強法で4題ごとの練習方法を紹介しています。

口述試験の勉強はいつ・どう始める?

先に結論

口述試験の練習は、筆記の結果を待たずに少しずつ始めておくと安心です。
筆記で覚えた観光地や歴史を、そのまま話す題材に使えます。

『筆記に受かってから口述を考えればいい』と思いがちですよね。
ただ、2026年度は筆記の結果通知が9月25日の予定で、口述試験が11月29日でした。

結果通知から口述までは約2か月しかありません。
この期間だけで話す力を仕上げるのは、思った以上に大変なんです。

口述試験は10分程度で、外国語訳と質疑、プレゼンテーションの2題です。
評価項目は、プレゼンテーション、コミュニケーション、文法及び語彙、発音及び発声、ホスピタリティの5つです。

筆記の勉強中からできる口述の準備
  • 覚えた観光地を外国語で1文説明してみる
  • 題材を日本語で3文にまとめてノートにためる
  • 週に1回は声に出して録音する
  • 話す練習の相手をどう見つけるか考えておく

話す練習の相手の見つけ方

口述の練習でいちばん困るのが、話す相手ですよね。
相手の候補と、それぞれの使いどころを表にしました。

練習の相手使いどころ
録音した自分の声毎日の説明の練習と聞き直し
外国語を話せる家族や友人気軽な質疑の練習
オンライン英会話の講師決まった時間に質疑を繰り返す練習
講座の講師試験の形に沿った練習と講評
言語交換の相手英語以外の言語の会話練習

例えば、地理で覚えた観光地を、その日のうちに外国語で1文説明するだけでも練習になります。
口述の練習メニューは二次試験対策の練習方法で週ごとに紹介しています。

試験日から逆算した計画の立て方

先に結論

計画は試験日から逆算して、「申請」「筆記」「口述」の3つの区切りで考えます。
日程は毎年JNTOの施行要領で公表されるので、受ける年度のものを確かめてください。

2026年度の日程は、次のとおりでした。

区切り2026年度の日程この時期の勉強の中心
願書申請期間6月1日から7月9日受ける科目と免除を確定させる
筆記試験8月16日科目ごとに過去問を繰り返す
筆記の結果通知9月25日(予定)口述の題材を増やす
口述試験11月29日説明と質疑の通し練習
最終結果2027年1月22日(予定)合格後の登録の準備

申し込みはインターネットの電子申請のみで、願書が承認された後は、選択した外国語や免除申請の変更・追加はできません。
免除を使う方は、申請期間までに合格証明書などのデータを用意しておきましょう。

申請期間までに確かめておきたいこと
  • 受ける外国語を決めている
  • 免除に使う資格の合格証明書などをPDFやJPEGにしている
  • 本人のメールアドレスを用意している
  • 受験手数料の支払い方法(クレジットカードかコンビニ)を決めている

受験手数料は一カ国語ごとにかかり、免除があっても減額されません。
金額は受ける年度の施行要領で確かめてください。

勉強を始める時期で計画を変える

いつから始めるかで、計画の立て方は変わります。
目安として、次のように考えてみてください。

始める時期計画の考え方
申請期間よりかなり前免除になる資格を取ってから受けるかも含めて考える
申請期間の直前受ける科目を確定させ、過去問で弱い科目を見つける
申請期間の後筆記の科目に集中し、口述の準備は少しずつ

期間後に検定に合格しても、その年度は免除申請できません。
免除を使いたい資格がある方は、受ける年度の申請期間に間に合うかを先に確かめましょう。

働きながら勉強する方の計画は、試験日から逆算する学習スケジュールで詳しく紹介しています。

試験日から逆算して申請・筆記・口述の3つの区切りで計画を立てる流れの図解

通訳案内士の勉強法でよくある相談

先に結論

勉強法の相談は「何から始めればいいか」「一次試験の勉強の仕方」「市販のテキストだけで足りるか」「地理と歴史の進め方」に集まっています。

知恵袋で多く読まれている相談を要約して、編集部の考え方をお伝えします。

通訳案内士を目指すけれど、どう勉強すればいい?

通訳案内士を目指していて、勉強の進め方を知りたいという相談です。

勉強の仕方が分からないうちは、参考書を何冊も集めたくなりますよね。
でも、まずは施行要領で科目と免除を確かめて、受ける科目を決めるところから始めてみてください。
その後、過去問を1回分ずつ解いて、この記事のワークシートで時間を割り振ると、迷わずに進められます。

一次試験はどう勉強すればいい?

一次試験の勉強の仕方を知りたいという相談も多く読まれています。

一次試験は筆記試験のことで、科目ごとに合否が決まります。
1科目でも基準点に届かないと不合格になるので、全科目をまんべんなく基準点まで上げる意識が大切です。
過去問で弱い科目を見つけて、その科目を基準点まで上げることを優先しましょう。

市販のセットになったテキストで合格できる?

地理・歴史・一般常識を、市販のセットになったテキスト問題集だけで勉強して合格できるかという相談です。

市販の対策本は、範囲を短くまとめてくれる点で役に立ちます。
ただ、一般常識は前年度の観光白書、実務は観光庁の通訳ガイドテキストが出題の土台なので、公式の資料も合わせて確かめておくと安心です。

教材の選び方はテキストの選び方で紹介しています。

地理と歴史の勉強法が分からなくなった

地理と歴史の勉強法に迷っているという相談もあります。

地理と歴史は、どちらも観光資源に関わる事柄が出題の中心です。
観光地を地図で確かめ、その場所の歴史をセットで覚えると、2科目を同時に進められます。

「この城はどこにある?」
「この県の、この町だね。建てられたのはこの時代。」

こんなふうに、場所と時代を一緒に言えるかを、家族や友人とクイズ形式で確かめるのもおすすめです。

試験の傾向が変わって勉強法に迷っている

外国語を母語とする受験者が、新しい出題の傾向に合わせた歴史と地理の勉強法で悩んでいるという相談もあります。

出題の考え方は、観光庁のガイドラインで公開されています。
迷った時は、ガイドラインの「外国人観光旅客の関心の強い事柄」という考え方に立ち返り、直近の年度の過去問から順に解くのがおすすめです。

独学で進めるか、講座や英会話レッスンを使うか

通訳案内士の試験勉強は、公式資料と過去問を軸にすれば独学でも進められます。
自分のペースで弱い科目に時間をかけられるのは、独学の大きな強みです。

一方で、講座や英会話レッスンが役立つ場面もあります。

  • 口述試験で話す相手がいない
  • 和文外国語訳を添削してほしい
  • 勉強時間が限られていて、教材の順番に沿って進めたい
  • 何から始めるか決められない

勉強の進め方に迷ったら、講座やオンライン英会話を比べてみるのも一つの方法です。
講座の比べ方は講座・予備校の選び方、独学との比べ方は独学で合格できるかの解説で紹介しています。

通訳案内士ドットコム

独学に不安があるなら、講座やオンライン英会話を比べてみませんか

和文外国語訳の添削や口述試験の練習相手など、独学では用意しにくい部分だけでも講座やオンライン英会話を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通訳案内士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

よくある質問

全国通訳案内士の勉強は、何から始めればいいですか?

まず施行要領で科目と免除を確かめ、受ける科目を決めてください。その後、JNTOの過去問を1回分ずつ解いて、点数の低い科目から時間を多めに割り振るのがおすすめです。

通訳案内士の試験勉強は、1日にどれくらいすればいいですか?

受ける科目の数や今の力で大きく変わるので、一律の時間は言えません。この記事のワークシートで科目ごとの割合を決めてから、自分の生活に合わせて1日の時間を決めてみてください。

筆記と口述、どちらの勉強を先にすればいいですか?

筆記の勉強を中心にしながら、口述の準備も少しずつ並行するのがおすすめです。筆記で覚えた観光地や歴史を、外国語で1文説明する練習から始めると負担になりません。

通訳案内士の勉強に、市販の対策本は必要ですか?

公式資料だけでも勉強は進められますが、市販の対策本は範囲を短くまとめてくれる点で役立ちます。まず過去問と公式資料で出題の形を知り、足りない部分を対策本で補う使い方がおすすめです。

前年度に一部の科目に合格しています。勉強はどうすればいいですか?

前年度に合格した科目は、次の年度に限り免除申請できます。免除される科目を除いて、残りの科目と口述試験に時間を集中させましょう。免除は自動ではないので、申請を忘れないでください。

まとめ

この記事の要点
  • 勉強法は免除の有無で変わる「受ける科目の数」から決める
  • 過去問の点数と合格基準点の差で、科目ごとの時間を割り振る
  • 地理と歴史は観光地と結びつけ、一般常識と実務は公式資料に絞る
  • 口述の準備は筆記の勉強中から少しずつ始める
  • 計画は申請・筆記・口述の3つの区切りで試験日から逆算する
通訳案内士ドットコム

通訳案内士ドットコム 編集部

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