通訳案内士試験の免除制度|英検・TOEIC・歴史能力検定など一覧

通訳案内士試験の免除制度と歴史検定の扱いを紹介する記事のアイキャッチ

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『歴史検定を持っていたら、通訳案内士試験の日本歴史は免除になるって本当?』と気になっている方も多いですよね。

結論から言うと、本当です。歴史能力検定の日本史1級か2級に合格していれば、日本歴史の筆記試験は免除を申請できます。ただし、地理には「検定で免除」の仕組みがないなど、思い込みで準備すると困る点もあるんです。

この記事を読むと、科目ごとに何で免除になるのか、いつまで有効なのか、どう申請するのかが1つの早見表で分かります。

目次

通訳案内士試験の免除制度とは?

先に結論

全国通訳案内士試験の筆記試験には、ほかの資格や前年度の結果によって、科目の受験が免除される制度があります。免除は自動ではなく、願書申請の期間内に自分で申請して初めて使えます。

全国通訳案内士試験の筆記試験は、外国語・日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務の5科目です。この一部を受けなくてよくなるのが、免除制度なんです。

試験全体の科目や合格基準は筆記試験(1次試験)の記事で紹介しています。資格そのものについては通訳案内士とは?の記事をどうぞ。ここでは免除の仕組みに絞ってお話ししますね。

免除には、大きく分けて4つのパターンがあります。2026年度の施行要領をもとに、まず全体を見てみましょう。

免除のパターンどんな人が対象か免除になる範囲
ほかの資格・試験による免除英検1級や歴史能力検定などに合格している人資格に対応する科目
前年度の合格科目の免除前年度の筆記試験で合格した科目がある人その科目(次の年度に限る)
別の外国語で合格している人の免除一つの外国語で最終合格している人日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務
地域限定通訳案内士試験の合格者の免除北海道・岩手県・栃木県・静岡県・長崎県・沖縄県の地域限定試験の合格者その外国語(英語・中国語・韓国語)の筆記

『資格を持っていれば、自然に免除になるんでしょ?』と思っている方もいるかもしれません。実は、どのパターンも毎年あらためて申請が必要です。ここはあとでもう一度お話ししますね。

免除を使うと何が変わる?

免除された科目は、筆記試験の当日に受ける必要がありません。たとえば外国語が免除なら、午前の外国語の時間には行かず、午後の日本地理から受けることになります。

一方で、免除があっても受験手数料は減額されません。ここは意外と知られていないので、覚えておきましょう。

別の外国語や地域限定試験で合格している人は

一つの外国語で最終合格している人が、別の外国語で受ける場合は、日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務の4科目が免除になります。対象は2018年度以降の合格者です。

2017年度までの合格者は、観光庁の研修を修了していない場合、通訳案内の実務は免除されません。昔受かったから全部免除になると思い込まず、合格した年度を確かめておきましょう。

地域限定通訳案内士試験の合格者は、合格した外国語(英語・中国語・韓国語)の筆記が免除になります。研修で養成される特例ガイドは対象外です。

科目ごとの免除を早見表で見てみよう

ここが大事なところです

外国語は言語ごとに対象の検定が違い、ポルトガル語・ロシア語・タイ語にはほかの試験による免除がありません。日本地理・日本歴史・一般常識は検定や試験の合格・得点で、通訳案内の実務はほかの試験による免除がありません。

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。科目ごとに「何で免除になるか」「いつまで有効か」「何を出すか」を1枚にまとめました。2026年度の施行要領にもとづく内容です。

日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務

科目免除になる資格・試験有効期限申請で出すもの
日本地理総合旅行業務取扱管理者・国内旅行業務取扱管理者の試験合格(旧主任者を含む)なし合格を証明する書類
日本歴史歴史能力検定 日本史1級または日本史2級なし合格を証明する書類
日本歴史大学入学共通テスト「日本史B」または「旧日本史B」60点以上得点を得た年度の末日から5年以内得点を証明する書類
一般常識大学入学共通テスト「現代社会」または「旧現代社会」80点以上得点を得た年度の末日から5年以内得点を証明する書類
通訳案内の実務ほかの試験による免除はなしなしなし

共通テストの有効期限は、2026年度の試験でいえば2022年1月以降に実施された分が対象です。日本史では「歴史総合、日本史探究」、一般常識では「公共、倫理」「公共、政治・経済」は対象外になっています。

科目ごとに免除になる資格と有効期限をまとめた早見表の図解

外国語(10言語)

言語免除になる資格・試験有効期限
英語実用英語技能検定1級なし
英語TOEIC(公開テストのみ)Listening & Reading 900点以上、Speaking Test 160点以上、Speaking & Writing のうち Speaking 160点以上または Writing 170点以上得点を得た年度かその翌年度の試験まで
フランス語実用フランス語技能検定試験1級なし
スペイン語スペイン語技能検定1級、DELE C1・C2・Superiorなし
ドイツ語ドイツ語技能検定試験1級なし
中国語中国語検定試験1級、HSK6級180点以上(旧HSK高等試験9級以上)、TOCFL Level6精通級(C2)なし
イタリア語実用イタリア語検定1級なし
韓国語「ハングル」能力検定試験1級、韓国語能力試験(TOPIK)6級なし
ポルトガル語・ロシア語・タイ語ほかの試験による免除はなし

TOEICは、IPテストが対象外です。2026年度の試験では、2025年4月1日以降に実施された分が対象になります。

自分の場合はどうなる?状況別の例

早見表だけだとイメージしにくいですよね。よくある状況で、当日受ける科目がどう変わるかを並べてみました(2026年度の施行要領で考えた例です)。

状況免除を申請できる科目当日受ける科目
英検1級を持っていて、ほかの免除はない外国語日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務
歴史能力検定の日本史2級を持っている日本歴史外国語・日本地理・一般常識・通訳案内の実務
国内旅行業務取扱管理者の試験に合格している日本地理外国語・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務
英検1級と日本史2級の両方を持っている外国語・日本歴史日本地理・一般常識・通訳案内の実務
前年度に筆記5科目すべてに合格した筆記試験全体口述試験から

どの例でも、通訳案内の実務は残ることが多いと分かります。ほかの試験による免除がない科目なので、免除を使う人も準備しておきたいところです。

英語の免除ラインと、英語の筆記試験そのものの関係は英語試験の出題形式の記事で詳しく取り上げています。

申請で出すものの考え方

免除の申請では、合格証明書などをPDFやJPEGにしてマイページにアップロードします。どの書類が必要かは資格ごとに違うので、受ける年度の施行要領で確かめておきましょう。

歴史検定(歴史能力検定)で日本歴史を免除するには

先に結論

通訳案内士の日本歴史は、歴史能力検定の日本史1級か2級に合格していれば免除を申請できます。有効期限はないので、一度合格すれば毎年の申請で使い続けられます。

通訳案内士と歴史検定の組み合わせは、検索でもよく調べられているテーマですよね。ここで言う「歴史検定」は、正しくは歴史能力検定の日本史1級・2級のことです。

『日本史なら何級でもいいの?』と思うかもしれません。対象は日本史の1級と2級だけなので、それより下の級では免除になりません。

歴史検定と本試験の日本歴史、どちらで進める?

歴史能力検定で免除を取るか、本試験の日本歴史で70点を目指すか。これは人によって答えが変わるところです。考え方を状況別に並べてみました。

今の状況考え方の例
すでに日本史2級以上に合格している迷わず免除を申請する
次の願書申請期間までに検定の結果が出る検定の結果を待ってから申請できる
検定の結果が願書申請期間のあとに出るその年度は本試験で日本歴史を受ける
歴史が苦手で、まず範囲を絞って学びたい本試験の過去問で出題の傾向をつかんでから決める
寺社や城の案内を仕事に活かしたいどちらの道でも、観光地と結びつけて覚える

ここで大事なのは、検定の結果が出るタイミングです。願書申請期間が終わったあとに検定に合格しても、その年度は免除を申請できません。

スケジュールはこう考える

2026年度の願書申請期間は6月1日から7月9日まででした。免除に使いたい検定は、この期間に合格を証明できる状態になっている必要があります。

検定の実施日や結果発表の時期は、検定を行う団体の案内で確かめてみてください。間に合わない場合は、その年は日本歴史を本試験で受け、翌年度以降に免除を使う、という二段構えも考えられます。

歴史検定で免除を申請する場合と本試験で受ける場合を比べた図解

免除を使っても、歴史の知識は仕事で使う

『免除になれば、歴史の勉強はしなくていい?』と考える方もいるはずです。ただ、口述試験の題材には、日本の観光地に関わる歴史の事柄が含まれます。

たとえば寺の由来や城が建てられた時代を、外国語で一言添えられるかどうか。免除を使っても、こうした説明の準備は続けておくと安心です。観光地と結びつけた覚え方は日本歴史の勉強法の記事で紹介しています。

共通テストの日本史Bでも免除になる

大学入学共通テストの「日本史B」または「旧日本史B」で60点以上を取っている場合も、日本歴史の免除を申請できます。こちらは得点を得た年度の末日から5年以内という期限があります。

学生の方や、数年以内に共通テストを受けた方は、得点を確かめてみてください。

地理検定では免除にならない?日本地理の免除の正しい対象

先に結論

日本地理の免除は、総合旅行業務取扱管理者または国内旅行業務取扱管理者の試験に合格した人が対象です。「地理検定」という名前の検定は、施行要領の免除対象に挙げられていません。

『地理も歴史と同じように、検定を取れば免除になるんでしょ?』と思っている方は少なくありません。ここは、いちばん誤解されやすいところなんです。

通訳案内士の地理と検定について調べると、歴史と同じ形を想像しがちです。でも実際の日本地理の免除は、旅行業務取扱管理者の試験合格が対象になっています。

日本地理の免除になるもの
  • 総合旅行業務取扱管理者の試験合格
  • 国内旅行業務取扱管理者の試験合格
  • 旧主任者の試験合格も含む
日本地理の免除にならないもの
  • 「地理検定」という名前の検定
  • 旅程管理主任者(ツアーコンダクター)
  • 前年度以外の通訳案内士試験での科目合格

旅程管理主任者は、名前が似ていますが対象外です。資格名を確かめずに申請の準備をすると、期間内に間に合わなくなることもあるので注意しましょう。

旅行の仕事をしている人は一度確かめてみて

旅行会社で働いている方や、以前に旅行関係の勉強をした方は、旅行業務取扱管理者の試験に合格していることがあります。旧主任者の試験合格も対象なので、昔の合格証書を探してみる価値はありますよ。

「総合」か「国内」のどちらかに合格していれば対象です。合格した年が古くても、有効期限はありません。

地理は検定より、本試験の対策で考える人が多い

旅行業務取扱管理者の試験は、それ自体が別の国家試験です。『地理の免除のためだけに受けるのは大変そう』と感じる方もいますよね。

そのため、日本地理は本試験で70点を目指して準備する、という選び方も自然です。出題の考え方と覚え方は日本地理の記事でまとめています。

よくある勘違い

「地理と歴史の検定2級を取れば、地理も歴史も免除になる」という情報を見かけることがあります。歴史は歴史能力検定の日本史1級・2級で免除になりますが、地理は検定では免除になりません。申請前に施行要領で資格名を確かめてみてください。

免除申請の手順と、知っておきたい注意点

先に結論

免除の申請は、願書申請期間内に、合格証明書などをマイページにアップロードして行います。期間後の追加や変更はできず、毎年あらためて申請が必要です。

免除が使えると分かったら、次は申請の手順ですよね。2026年度の施行要領では、願書申請期間は6月1日から7月9日23時59分(日本時間)まででした。

免除申請の流れ
  1. 受ける年度の施行要領で、免除の対象と有効期限を確かめる
  2. 合格証明書などを用意し、PDFやJPEGにする
  3. 電子申請のマイページで願書を入力し、免除を申請する
  4. 書類をアップロードし、受験手数料を支払う
  5. 願書が承認されたことを、承認メールで確かめる
通訳案内士試験の免除を申請する流れを順番に示した図解

申し込みの画面の進め方は申し込み方法と日程の記事で紹介しています。

書類の準備は早めに

合格証明書が手元に見つからない、という方もいるはずです。再発行が必要な場合は、発行元の手続きに日数がかかることもあります。

願書申請期間が始まる前に、免除に使う書類がそろっているかを確かめておきましょう。スマートフォンで撮影する場合は、文字がはっきり読めるかを拡大して確かめておくと安心です。

前年度の合格科目は「次の年度だけ」

前年度の筆記試験で合格した科目は、次の年度に限って免除を申請できます。外国語の場合は、同じ言語に限られます。

前年度に5科目すべて合格した人は、筆記試験全体の免除を申請できます。つまり、筆記に合格して口述で不合格だった人は、翌年は口述試験から受けられるということです。

申請でよくある失敗
  • 願書が承認されたあとに、免除の追加を申請しようとする
  • 前の年に免除を使ったから、今年も自動で免除になると思い込む
  • 申請期間が終わってから検定に合格し、その年度に使おうとする
  • TOEICの得点が有効期限を過ぎていることに気づかない

筆記試験合格証書との関係

最終合格すると、全国通訳案内士試験合格証書がマイページで交付されます。また、筆記5科目をすべて受けて合格した人には、筆記試験合格証書が交付されます。

1科目でも免除があると、筆記試験合格証書は交付されません。最終合格を目指すうえでは大きな違いではありませんが、知っておくと安心です。

免除のあとに残る科目の勉強

免除を使うと、残った科目に勉強の時間を回せるのが大きなメリットです。ただ、通訳案内の実務にはほかの試験による免除がありません。ここは免除がある人も、全員が準備する科目になります。

通訳案内の実務は、原則として観光庁が令和7年4月に発行した「通訳ガイドテキスト(初版)」が試験範囲です。範囲がはっきりしているので、免除で空いた時間をここに回すと、効率よく準備できます。

勉強の進め方に迷ったら、講座やオンライン英会話を比べてみるのも一つの方法です。

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通訳案内士の免除と歴史検定でよくある相談

先に結論

歴史能力検定の日本史2級は有効期限なく使えますが、毎年の申請が必要です。地理は検定ではなく旅行業務取扱管理者の試験合格が対象です。

ここでは、Yahoo!知恵袋でよく見かける免除の相談を、要約してお答えしますね。

相談1「地理と歴史の検定2級で免除になるなら、先に検定から攻めるのが得策?」

閲覧数の多い相談です。ただ、前提に一つ誤解があります。

日本歴史は歴史能力検定の日本史1級か2級で免除になりますが、日本地理の免除は検定ではなく、旅行業務取扱管理者の試験合格です。歴史だけを検定で免除にして、地理は本試験で受ける、という組み立てが現実的な選び方になります。

検定から始めるかどうかは、検定の結果が願書申請期間に間に合うかで考えてみてください。

相談2「本試験の日本史と、歴史検定2級では、どちらが取りやすい?」

こちらもよくある相談です。どちらが易しいかは、得意な時代や出題の形によって人それぞれなので、一概には言えません。

おすすめは、JNTOが公開している過去問で日本歴史を1回分解いてみることです。手応えがあれば本試験で、範囲が広くて不安なら検定も考える、という順で決めると迷いにくくなります。

相談3「歴史検定2級があれば、毎年受け直しても日本歴史は免除?」

答えは、はいです。歴史能力検定には有効期限がないので、何度受け直しても免除の対象になります。

ただし、免除は自動ではありません。毎年の願書申請で、あらためて免除を申請し、書類をアップロードする必要があります。

相談を読んで確かめたいこと
  • 歴史の免除は、日本史1級・2級か共通テストの日本史Bか
  • 地理の免除は、旅行業務取扱管理者の試験合格か
  • 検定の結果が願書申請期間に間に合うか
  • 免除は毎年申請しているか

よくある質問

通訳案内士の歴史検定は何級から免除になりますか?

歴史能力検定の日本史1級または日本史2級が対象です。それより下の級や、日本史以外の種目では免除になりません。有効期限はありません。

地理検定に合格すれば日本地理は免除になりますか?

なりません。日本地理の免除は、総合旅行業務取扱管理者か国内旅行業務取扱管理者の試験合格(旧主任者を含む)が対象です。旅程管理主任者も対象外です。

TOEICの点数で英語の筆記は免除になりますか?

公開テストのListening & Readingで900点以上などの条件を満たせば免除になります。2026年度の試験では、2025年4月1日以降に実施された分が対象です。IPテストは対象外です。

免除があれば受験手数料は安くなりますか?

いいえ、免除があっても受験手数料は減額されません。金額は受ける年度の施行要領で確かめてください。

願書を出したあとに検定に合格したら、免除を追加できますか?

できません。願書が承認されたあとは免除申請の変更や追加ができず、期間後に合格した検定はその年度には使えません。次の年度の申請で使いましょう。

まとめ

この記事の要点
  • 通訳案内士試験の筆記には、資格・前年度の結果・別言語の合格などによる免除がある
  • 日本歴史は歴史能力検定の日本史1級・2級、または共通テストの日本史B 60点以上で免除
  • 日本地理は地理検定ではなく、旅行業務取扱管理者の試験合格が対象
  • 英語は英検1級やTOEICの公開テストの得点で免除になり、TOEICには有効期限がある
  • 免除は自動ではなく、毎年の願書申請期間内に申請が必要
通訳案内士ドットコム

通訳案内士ドットコム 編集部

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