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通訳案内士の試験を受けたいけれど、講座に通うか独学で進めるかで迷っている方も多いですよね。
結論から言うと、通訳案内士は独学でも合格を目指せる試験です。
ただし、口述試験の話す練習と和文外国語訳の添削は、一人では手に入りにくい部分になります。
この記事では、独学で手に入る公式資料と、独学しやすい科目・しにくい科目、講座を使うと進めやすい人の見分け方をお伝えします。
通訳案内士は独学で合格できる?
独学で目指すこと自体は十分に現実的です。
試験を実施するJNTOや観光庁が、勉強の土台になる資料を公開しているからです。
『予備校に行かないと無理なのでは』と不安になる方もいるはずです。
実は、独学の材料になる公式資料はかなりそろっています。
全国通訳案内士試験は、観光庁長官の試験で、日本政府観光局(JNTO)が試験事務代行機関として実施しています。
JNTOは参考書の販売はしていませんが、過去の筆記試験問題の一部を解答例つきで公開しています。
| 独学で使える公式資料 | どこで手に入るか | 何に使うか |
|---|---|---|
| 過去の筆記試験問題(解答例つき) | JNTOのウェブサイト | 出題の形と難しさを知る |
| 施行要領 | JNTOのウェブサイト | 日程・科目・免除を確かめる |
| 全国通訳案内士試験ガイドライン | 観光庁のウェブサイト | 科目ごとの出題の考え方を知る |
| 通訳ガイドテキスト(初版) | 観光庁のウェブサイト | 通訳案内の実務の試験範囲 |
| 観光白書 | 公的機関の公開資料 | 一般常識の出題の例 |
過去問は、2022年度から2026年度までの年度別ページで、言語別・科目別のPDFが公開されています。
JNTOの過去問ページで、まずは1回分を解いてみてください。
独学の難しさは「合格率」より「科目の多さ」
合格率はJNTOの公表値で、2025年度の最終合格率が14.7%、2024年度が10.0%、2023年度が12.0%でした。
年度でかなり変わるので、数字だけで難しさを決めつけない方がいいでしょう。
独学で大変なのは、5科目の筆記と口述という、性格の違う試験を一人で全部準備することなんです。
だからこそ、科目ごとに独学で進めるか、何かで補うかを決めるのがポイントになります。
過去問の詳しい使い方は過去問の使い方の解説で紹介しています。
公式資料と市販教材の使い分けはテキストの選び方が参考になります。
独学しやすい科目、つまずきやすい科目
暗記と演習で進められる筆記の4科目は独学向きです。
外国語の和文外国語訳と口述試験は、人に見てもらう機会がないと伸び悩みやすくなります。
科目ごとに見ていくと、独学のしやすさにははっきり差があります。
2026年度の施行要領とガイドラインをもとに、編集部でまとめると次のとおりです。
| 科目 | 合格基準点(原則) | 独学のしやすさ | つまずきやすいところ | 補い方の例 |
|---|---|---|---|---|
| 日本地理 | 100点中70点 | 進めやすい | 地図や写真を使った問題 | 観光地を地図で確かめながら覚える |
| 日本歴史 | 100点中70点 | 進めやすい | 観光地と結びつけた出題 | 寺社や城を時代順に並べる |
| 一般常識 | 50点中30点 | 進めやすい | 範囲が広い | 観光白書と時事問題に絞る |
| 通訳案内の実務 | 50点中30点 | 進めやすい | テキストの細かい部分 | 通訳ガイドテキストを章ごとに読む |
| 外国語(筆記) | 100点中70点 | 部分的に難しい | 和文外国語訳の自己採点 | 添削を受ける機会を作る |
| 口述試験 | 原則7割 | 一人では難しい | 質疑への受け答え | 話す相手を見つける |
地理と歴史は30分で30問程度、一般常識と実務は20分で20問程度です。
すべてマークシート方式なので、過去問の演習で力を確かめやすいんです。
筆記の4科目を独学で進めるコツ
独学向きとはいえ、やみくもに覚えると範囲の広さに疲れてしまいますよね。
科目ごとに、手を動かす形で進めるのがコツです。
- 日本地理は、過去問に出た観光地を白地図に書き込み、周りの名所も一緒に覚える
- 日本歴史は、寺社や城などの観光地を時代ごとに並べ、今の暮らしとのつながりもメモする
- 一般常識は、前年度に発行された観光白書の施策と、新聞1面の大きな話題を中心に読む
- 通訳案内の実務は、通訳ガイドテキストを章ごとに読み、過去問の出題箇所に印をつける
地理と歴史の出題は、外国人観光旅客が多く訪れる、または評価が高い観光資源に関わる事柄が中心です。
「外国人に聞かれそうなことか」を物差しにすると、覚える範囲を絞りやすくなります。
外国語の筆記はどこが独学しにくい?
外国語は、読解・外国語文和訳・和文外国語訳・外国語での説明の4題を基準にしています。
マークシート方式でも、訳や説明の自然さは自分では判断しにくいですよね。
例えば和文外国語訳では、自分で書いた訳が正しいのかどうか分からないまま進んでしまうことも。
解答例と見比べるだけでなく、誰かに見てもらう機会を1回でも作ると気づきが増えます。
口述試験はなぜ一人だと難しい?
口述試験は10分程度で、外国語訳と質疑、プレゼンテーションの2題です。
評価項目にはコミュニケーションやホスピタリティが入っていて、相手とのやりとりが見られます。
録音して聞き直す練習は一人でもできます。
ただ、思いがけない質問に答える練習は、人と話さないと積めないんです。

独学・講座・オンライン英会話を4つの物差しで比べる
学び方は「質問できるか」「添削があるか」「話す相手がいるか」「時間の自由度」で比べると、自分に合う形が見えてきます。
『講座を使うか独学か、どちらか一方に決めないといけない』と思っていませんか。
実は、科目や時期によって組み合わせる方法もあります。
下の表は、4つの学び方を同じ物差しで比べたものです。
| 学び方 | 質問できるか | 添削があるか | 話す相手がいるか | 時間の自由度 |
|---|---|---|---|---|
| 独学 | 自分で調べる | なし | 自分で探す | とても高い |
| 通信講座 | 講座の仕組みによる | 講座による | 少ないことが多い | 高い |
| 通学講座 | その場で聞ける | あることが多い | 講師や受講仲間 | 低い |
| オンライン英会話 | 講師に聞ける | 試験の添削は想定外 | 毎回いる | 高い |
独学の強みは、時間の自由度の高さと、自分の弱い科目だけに時間をかけられることです。
一方で、質問・添削・話す相手の3つは、自分で用意しないといけません。
- 自分のペースで進められる
- 弱い科目に時間を集中できる
- 公式資料を中心に進められる
- 質問できる相手がいない
- 訳や説明の添削が受けられない
- 口述の練習相手を探す必要がある
独学に向いている人の特徴
独学が合う人には、いくつか共通する特徴があります。
例えば、次のような方は独学でも進めやすいでしょう。
- 自分で計画を立てて、週ごとに見直せる
- 公式資料を読んで分からない点を自分で調べられる
- 話す練習の相手をすでに持っている
- 免除で受ける科目が少ない
当てはまる項目が多いほど、独学の強みである時間の自由度を生かしやすくなります。
足りない部分だけ補う考え方
例えば、筆記の4科目は独学で進め、外国語の添削だけ講座を使う方法があります。
口述の話す練習だけオンライン英会話で増やす、という組み合わせも考えられます。
全部を講座に任せるか、全部を独学でやるかの二択にしなくていいんです。
オンライン英会話の具体的な使い方はオンライン英会話の使い方で紹介しています。
講座を使うと進めやすい人のチェックリスト
当てはまる項目が多い方は、独学だけで進めるより、講座や英会話レッスンを組み合わせた方が進めやすくなります。
独学が向いているかどうかは、語学力だけでは決まりません。
生活の時間の使い方や、計画を一人で続けられるかも大きく関わります。
- 口述試験で話す相手が周りにいない
- 和文外国語訳を誰かに見てもらいたい
- 仕事や家事で勉強時間が限られている
- 何から始めればいいか決められない
- 一人だと勉強が続かなかった経験がある

状況別に見る、独学と講座の向き不向き
同じ試験でも、持っている資格や受ける言語で事情はかなり変わります。
よくある状況ごとに、考え方をまとめました。
| 状況 | 独学で進めやすい部分 | 補いたい部分 |
|---|---|---|
| 英検1級を持っていて歴史が不安な社会人 | 英語の筆記は免除になる | 日本歴史の暗記と口述の練習 |
| 英語はこれからの大学生 | 地理・歴史などの暗記科目 | 外国語の筆記と添削 |
| 英語以外の言語で受ける人 | 筆記の4科目 | その言語の口述の練習相手 |
| 旅行業務取扱管理者の試験に合格している人 | 日本地理は免除になる | 外国語と口述 |
例えば、英検1級を持っていて歴史が不安な社会人の場合、筆記で受けるのは外国語以外の4科目です。
暗記中心なので独学で進めやすく、補いたいのは口述の練習相手くらいになります。
英語以外の言語で受ける場合は、筆記の4科目は英語の受験者と同じ内容です。
その言語の口述の練習相手を早めに探しておくと、後で慌てずに済みます。
日本地理は総合旅行業務取扱管理者や国内旅行業務取扱管理者の試験合格で免除になります。
免除の有無で受ける科目の数が変わり、独学の負担も変わるので、免除制度の一覧で先に確かめておきましょう。
独学で進める時の手順
独学は「受ける科目を決める」「過去問で今の位置を知る」「科目ごとの計画を立てる」の順で進めると迷いにくくなります。
『計画を立てても、一人だと続かないかも』と心配な方もいますよね。
最初の数週間の動き方で、その後の進みやすさはかなり変わります。
まずは小さく始めて、過去問の点数という目に見える手応えを早めにつかむのがコツです。
次の手順で始めてみてください。
- 施行要領で日程と科目、免除の対象を確かめる
- 免除を使う科目と、受ける科目を決める
- JNTOの過去問で受ける科目を1回分ずつ解く
- 点数が低い科目から時間を多めに割り振る
- 口述の練習相手をどう確保するか決めておく
1週間の勉強の回し方の例
働きながら独学する方なら、平日と休日で中身を分けると続けやすくなります。
例えば、次のような回し方が考えられます。
| 曜日の目安 | やること |
|---|---|
| 平日の朝 | 地理か歴史の暗記を少しずつ進める |
| 平日の夜 | 一般常識か実務の資料を読む |
| 休日の1日目 | 過去問を時間を計って1科目解く |
| 休日の2日目 | 間違えた問題を見直し、外国語で1つ題材を説明して録音する |
1週間の終わりに、どの科目に時間を使ったかを振り返ると、偏りに気づけます。
働きながらの計画の立て方は試験日から逆算する学習スケジュールも参考にしてみてください。
2026年度の日程から逆算すると
2026年度は、願書申請期間が6月1日から7月9日まで、筆記試験が8月16日、口述試験が11月29日でした。
翌年度の日程は、毎年JNTOが施行要領で公表します。
| 時期 | 独学でやること |
|---|---|
| 願書申請期間まで | 受ける科目を決め、過去問で今の位置を知る |
| 願書申請期間 | マイページで申請し、免除の書類をアップロードする |
| 筆記試験まで | 科目ごとに過去問を繰り返し、苦手を減らす |
| 筆記の結果通知から口述まで | 題材リストを作り、話す練習を増やす |
筆記の結果通知は2026年度で9月25日の予定でした。
口述まで2か月ほどしかないので、筆記の勉強中から話す練習を少しずつ入れておくと安心です。
筆記の勉強だけに集中して、口述の準備を結果通知の後から始めてしまうことがあります。
筆記で覚えた観光地や歴史を、その日のうちに外国語で1文説明する習慣を作っておきましょう。
勉強の計画の立て方は通訳案内士の勉強法で詳しく紹介しています。
独学についてよくある相談
独学の相談は「英語が免除の時の地理と歴史の進め方」「独学で取れるのか」「口述の直前対策」「周りに仲間がいない」に集まっています。
知恵袋で多く読まれている相談を要約して、編集部の考え方をお伝えします。
英語が免除になる場合、地理と歴史はどう勉強する?
TOEICで英語の筆記が免除になる見込みの方が、地理と歴史の勉強方法を聞いている相談です。
とても多く読まれていて、同じ悩みの方が多いことが分かります。
まず、TOEICの免除の基準は相談当時と変わっている点に気をつけてください。
2026年度の施行要領では、公開テストのListening & Readingで900点以上などが対象で、得点の有効期間もあります。
地理と歴史は、どちらも外国人観光旅客の関心が強い観光資源に関わる基礎知識が出題の中心です。
観光地を地図で確かめ、その場所の歴史をセットで覚えると、両方の科目を同時に進められます。
例えば、ある城を覚える時に「どの県にあるか」と「いつ誰が建てたか」を一緒にノートへ書く、というやり方です。
通訳案内士は独学で取得できる?
資格に興味があり、独学で取得するのは難しいのかを知りたい、という相談です。
独学で目指すことはできます。
試験の受験資格には年齢や学歴、国籍の制限がなく、誰でも受けられるので、まずは受ける年度を決めて動き出すのが一歩目です。
例えば、こんな会話を想像してみてください。
「独学だと何がいちばん大変?」
「覚えることより、話す練習の相手を見つけることかもしれないね。」
ただ、口述試験の話す練習と和文外国語訳の添削は、何らかの形で人の力を借りた方が進めやすいでしょう。
一次に独学で合格した後、二次の直前対策は?
一次試験に独学で合格し、口述試験の直前に何をすればいいか知りたいという相談です。
直前期は、題材を増やすより、説明と質疑の流れを何度も通すことに時間を使うのがおすすめです。
一人なら録音して聞き直し、相手がいるなら質問をしてもらう練習を繰り返します。
- 用意した題材を時間を計って説明する
- 日本語の短い文を聞いて訳す練習をする
- 説明の後に聞かれそうな質問を書き出して答える
- 入室から退室までの受け答えを声に出して通す
口述までの練習メニューは二次試験対策の練習方法で週ごとに紹介しています。
周りに受験者がいなくて不安
独学で、周りに同じ試験を受ける人がいないという相談もあります。
一人で勉強していると、自分の進み方が合っているのか分からなくなることもありますよね。
仲間がいない分、過去問の点数を記録して、自分の伸びを見える形にしておくのがおすすめです。
情報は、JNTOの試験ページと施行要領が正本です。
迷った時は人の話より公式の資料に戻る、と決めておくと不安が減りますよ。
独学で進めるか、講座や英会話レッスンを使うか
独学で合格を目指すのは、十分に筋の通った選び方です。
公式資料と過去問を軸に、自分のペースで進められるのは大きな強みです。
一方で、講座や英会話レッスンが役立つ場面もはっきりあります。
- 口述試験で話す相手がいない
- 和文外国語訳を添削してほしい
- 勉強時間が限られていて、教材の順番に沿って進めたい
- 何から始めるか決められない
当てはまるなら、講座の比べ方を講座・予備校の選び方で確かめてみてください。
通訳案内士ドットコム
独学に不安があるなら、講座やオンライン英会話を比べてみませんか
和文外国語訳の添削や口述試験の練習相手など、独学では用意しにくい部分だけでも講座やオンライン英会話を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通訳案内士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。
よくある質問
通訳案内士の独学にはどれくらいの期間が必要ですか?
受ける科目の数や、今の語学力、免除の有無で大きく変わるので、一律の期間は言えません。まず過去問を1回分ずつ解いて、点数が低い科目から計画を立ててみてください。
独学で使う教材は何から用意すればいいですか?
まずはJNTOが公開している過去問と施行要領、観光庁の通訳ガイドテキストから始めるのがおすすめです。足りない部分を市販の対策本で補う形にすると、教材を買いすぎずに済みます。
独学だと口述試験はどう練習すればいいですか?
題材を外国語で説明して録音し、聞き直すところまでは一人でできます。質問に答える練習は、オンライン英会話や講座、言語交換などで相手を見つけると進めやすくなります。
独学と講座は途中で切り替えてもいいですか?
切り替えて構いません。筆記は独学で進め、口述の時期だけ講座や英会話レッスンを使うなど、時期に合わせて変える方法もあります。講座の受講期間が試験日に間に合うかだけは確かめておきましょう。
前年度に筆記の一部に合格した場合はどうなりますか?
前年度の筆記試験で合格した科目は、次の年度に限り免除申請できます。自動では免除にならないので、願書申請期間内に申請してください。
まとめ
- 通訳案内士は独学でも合格を目指せる
- 過去問や施行要領など公式資料が独学の土台になる
- 筆記の4科目は独学向き、和文外国語訳と口述は人の力を借りると進めやすい
- 質問・添削・話す相手・時間の自由度の4つで学び方を比べる
- 足りない部分だけ講座やオンライン英会話で補う組み合わせもある





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