通訳案内士試験の外国語10言語|言語ごとの違いと選び方

通訳案内士試験で選べる外国語10言語の違いと選び方を紹介する記事のアイキャッチ

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『通訳案内士の試験って、英語以外でも受けられるの?』と気になっている方も多いですよね。

結論から言うと、全国通訳案内士試験は10の外国語から選んで受けられます。ただ、言語によって免除になる検定や口述試験の受験地が違うんです。

この記事を読むと、10言語の違いが一覧で分かり、自分はどの言語で受けるのがいいかを考えられます。

目次

通訳案内士試験で選べる外国語は10言語

先に結論

選べる外国語は、英語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・中国語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・韓国語・タイ語の10言語です。二カ国語で受けることもできます。

全国通訳案内士試験では、筆記試験の「外国語」と口述試験を、選んだ言語で受けます。日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務の4科目は、どの言語の人も共通です。

資格の全体像は通訳案内士とは?の記事で紹介しています。ここでは、通訳案内士の外国語の選び方に絞ってお話ししますね。

試験選んだ外国語で受けるもの全言語共通のもの
筆記試験外国語(90分・100点満点・原則70点)日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務
口述試験通訳と質疑、プレゼンテーション(10分程度)なし

口述試験は、筆記と同じ外国語で受けます。願書が承認されたあとは選んだ言語を変えられないので、申し込みの前に決めておきましょう。

外国語の筆記は、どの言語も同じ形

筆記の外国語は、どの言語でも読解1題(40点程度)、外国語文和訳1題(20点程度)、和文外国語訳1題(20点程度)、外国語での説明1題(20点程度)が基準です。全科目がマークシート方式(多肢選択式)になっています。

どの言語でも、読む力に加えて、日本の文化などをその言語で説明する力が問われるんです。たとえば「神社では鳥居をくぐる前に一礼する」といった習慣を、選んだ言語で説明できるか試してみてください。

口述試験も選んだ言語で

口述試験は10分程度で、日本語をその言語に訳して質疑をする問題と、3つのテーマから1つを選んで説明するプレゼンテーション問題の2題です。評価項目は、プレゼンテーション、コミュニケーション、文法及び語彙、発音及び発声、ホスピタリティの5つです。

言語が違っても、見られるポイントは同じです。日本の観光地をその言語で2分話す練習は、どの言語の人にも役立ちますよ。

10言語を「免除の検定」と「口述の受験地」で並べると

ここが大事なところです

英語・中国語・韓国語は口述試験を東京近郊・大阪近郊・福岡市で受けられ、それ以外の7言語は東京近郊だけです。ポルトガル語・ロシア語・タイ語には、ほかの試験による筆記の免除がありません。

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。言語を選ぶ時に知っておきたい2つの違いを、2026年度の施行要領をもとに一覧にしました。

言語筆記が免除になる検定・試験口述試験の受験地
英語実用英語技能検定1級、TOEIC公開テストの所定の点数東京近郊・大阪近郊・福岡市
中国語中国語検定試験1級、HSK6級180点以上(旧HSK高等試験9級以上)、TOCFL Level6精通級(C2)東京近郊・大阪近郊・福岡市
韓国語「ハングル」能力検定試験1級、韓国語能力試験(TOPIK)6級東京近郊・大阪近郊・福岡市
フランス語実用フランス語技能検定試験1級東京近郊
スペイン語スペイン語技能検定1級、DELE C1・C2・Superior東京近郊
ドイツ語ドイツ語技能検定試験1級東京近郊
イタリア語実用イタリア語検定1級東京近郊
ポルトガル語なし東京近郊
ロシア語なし東京近郊
タイ語なし東京近郊
10言語を免除になる検定の有無と口述試験の受験地で並べた図解

筆記試験の受験地は、どの言語でも札幌市・仙台市・東京近郊・名古屋市・大阪近郊・広島市・福岡市・沖縄県の8か所です。違いが出るのは口述試験なんです。

『地方に住んでいるけど、フランス語で受けたい』という方もいますよね。その場合、筆記は近くの受験地で受けられますが、口述試験は東京近郊まで出向くことになります。

免除の有効期限にも違いがある

免除になる検定は、英語のTOEICを除いて有効期限がありません。TOEICは、得点を得た年度かその翌年度の試験まで使えます。

免除は自動ではなく、毎年の願書申請期間内に申請が必要です。詳しくは免除制度の記事でまとめています。

言語ごとの受験者数と合格率、選び方の考え方

先に結論

受験者数は英語が飛び抜けて多く、合格率は言語や年度によって大きく変わります。合格率だけで言語を選ぶより、自分がその言語でどれだけ日本を説明できるかで選ぶのがおすすめです。

『どの言語が受かりやすいの?』と気になる方もいるはずです。2025年度の言語別の結果を、JNTOの公表値で並べてみました。

言語受験者数最終合格者数最終合格率
英語3,18050015.7%
フランス語14642.7%
スペイン語1182016.9%
ドイツ語47919.1%
中国語2682910.8%
イタリア語5547.3%
ポルトガル語34411.8%
ロシア語3500.0%
韓国語821214.6%
タイ語22313.6%

受験者数には、筆記試験が免除された人も含まれています。受験者が少ない言語は、数人の違いで合格率が大きく動くので、1年の数字だけで判断しないようにしましょう。

自分に合う言語の選び方

言語を選ぶ時は、合格率よりも「その言語で日本を説明できるか」を基準にするのがおすすめです。よくある状況ごとに考え方を並べてみました。

今の状況考え方の例
得意な外国語が1つだけあるその言語で受けるのが自然
英語ともう1つの言語ができるまず得意なほうで合格し、次の年度に別の言語で受ける
口述試験の移動が気になる英語・中国語・韓国語なら3か所から選べる
免除になる検定を持っているその言語なら筆記の外国語を免除できる
免除の検定がない言語を選ぶ筆記の外国語も本試験で受ける前提で準備する
言語を決めるまでの手順
  1. 候補の言語で、JNTOの過去問の外国語を1回分解いてみる
  2. 免除になる検定を持っているかを確かめる
  3. 口述試験の受験地と、自分の住まいからの移動を考える
  4. 日本の観光地をその言語で2分話せるか試してみる
  5. 願書の申請期間までに、受ける言語を1つ(または2つ)に決める

各言語の詳しい話は、言語ごとの記事で紹介しています。英語は英語試験の記事、韓国語は韓国語の通訳案内士の記事が参考になります。中国語は中国語の通訳案内士の記事をどうぞ。

地域通訳案内士は言語の決まり方が違う

ここまでは全国通訳案内士試験の話です。地域通訳案内士の場合は、外国語を地域の特性に応じて決められるとされています。

観光庁の指針では、全国通訳案内士の言語が英語に偏っていることが課題に挙げられています。住んでいる地域で特定の言語の案内をしたい方は、自治体の募集で対象の言語を確かめてみてください。

二カ国語で受ける時の扱いと、英語以外の言語の勉強

先に結論

二カ国語での受験はできますが、受験手数料は一カ国語ごとにかかります。一つの外国語で合格したあとに別の言語で受けると、日本の4科目が免除になります。

『二つの言語で受けたら、どうなるの?』という疑問もよく聞きますよね。二カ国語で受ける時と、合格後に別の言語で受ける時の扱いをまとめました。

二カ国語で受ける前に確かめたいこと
  • 受験手数料は一カ国語ごとにかかり、二カ国語だと倍になる
  • 支払い後の手数料は返金されない
  • 一つの外国語で合格した人は、別の言語で受ける時に日本の4科目が免除(2018年度以降の合格者)
  • 2017年度までの合格者は、観光庁研修を修了していない場合、通訳案内の実務は免除されない
二カ国語で受ける時と合格後に別の言語で受ける時の扱いを示した図解

まず得意な言語で合格し、次の年度に別の言語で受ける、という順番を選ぶ人もいます。この場合、2回目は外国語と口述試験に集中できるんです。

フランス語など英語以外の言語で勉強を進めるには

フランス語で通訳案内士の勉強をする方も、進め方の基本は英語と同じです。ただ、英語に比べると対策の情報が少ないと感じる方もいるはずです。

英語以外の言語で準備する流れ
  1. JNTOの過去問ページで、自分の言語の最新年度の問題を確かめる
  2. 免除になる検定(フランス語なら仏検1級)を持っているか確かめる
  3. 日本の観光地や行事を、その言語でまとめるノートを作る
  4. 口述試験の受験地(東京近郊)までの移動を考えておく
  5. 話す練習の相手を、講座や言語交換などで探す

フランス語で受ける場合の考え方の例

フランス語を例に、よくある状況ごとの進め方を並べてみました。ほかの言語でも、同じように考えられます。

状況進め方の例
仏検1級に合格している筆記の外国語の免除を申請し、日本の4科目と口述の練習に集中する
仏検1級は持っていない過去問でフランス語の筆記を解き、4題の中で弱いところから練習する
東京から離れた地域に住んでいる筆記は近くの受験地で受け、口述の日の移動を早めに考えておく
話す相手が身近にいない講座や言語交換などで、フランス語で質問してくれる相手を探す

JNTOは参考書の販売をしていませんが、過去の筆記試験問題の一部を言語別・科目別のPDFで公開しています。まずはそこから、出題の形に慣れておきましょう。

勉強の進め方に迷ったら、講座やオンライン英会話を比べてみるのも一つの方法です。

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通訳案内士の外国語でよくある相談

先に結論

免除の検定がない言語でも、検定を持っていることは受験の条件ではありません。どの言語で受けても、外国語に加えて日本の地理や歴史などの知識が求められます。

ここでは、Yahoo!知恵袋でよく見かける外国語の選び方の相談を、要約してお答えしますね。

相談1「タイ語で受けたい。タイ語の検定1級は必須?」

閲覧数の多い相談です。答えは、必要ありません。全国通訳案内士試験は、年齢・学歴・国籍などに関係なく、だれでも受けられます。

タイ語には、ほかの試験による筆記の免除がありません。そのため、検定の級に関係なく、筆記の外国語を本試験で受けることになります。

2025年度のタイ語の受験者数は22人、最終合格者数は3人でした(JNTOの公表値)。受験者が少ない言語ほど、過去問で出題の形を早めに確かめておくと安心です。

相談2「語学のほかに、旅行の知識も必要と聞いたけど本当?」

本当です。筆記試験には、日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務の4科目があります。

通訳案内の実務では、旅行業法や通訳案内士法、旅程管理の基礎なども出題されます。外国語の勉強と並行して、日本の4科目の準備も進めておきましょう。

相談3「第一外国語で合格済み。第二外国語で受けると何が免除?」

2018年度以降に合格した人なら、日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務の4科目が免除になります。新しい言語では、筆記の外国語と口述試験を受けます。

免除は毎年の願書申請期間内に申請が必要なので、忘れずに手続きしておきましょう。

よくある質問

通訳案内士の外国語は何言語から選べますか?

英語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・中国語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・韓国語・タイ語の10言語です。二カ国語での受験もできます。

英語以外の言語は、口述試験をどこで受けますか?

中国語と韓国語は東京近郊・大阪近郊・福岡市で受けられます。それ以外のフランス語・スペイン語・ドイツ語・イタリア語・ポルトガル語・ロシア語・タイ語は東京近郊だけです。

申し込んだあとで言語を変えられますか?

願書が承認されたあとは、選択した外国語の変更や追加はできません。申し込みの前に、どの言語で受けるかを決めておきましょう。

合格率が高い言語を選んだほうが有利ですか?

合格率は言語や年度で大きく変わり、受験者が少ない言語は数人の差で数字が動きます。JNTOの公表値は参考にしつつ、自分がその言語で日本を説明できるかで選ぶのがおすすめです。

免除になる検定がない言語はどれですか?

ポルトガル語・ロシア語・タイ語には、ほかの試験による筆記の免除がありません。前年度の筆記で合格した場合の免除は、どの言語でも使えます。

まとめ

この記事の要点
  • 通訳案内士試験で選べる外国語は10言語で、二カ国語での受験もできる
  • 口述試験は英語・中国語・韓国語が3か所、ほかの7言語は東京近郊のみ
  • ポルトガル語・ロシア語・タイ語には、ほかの試験による筆記の免除がない
  • 合格率は言語や年度で大きく変わるので、自分が説明できる言語で選ぶ
  • 合格後に別の言語で受けると、日本の4科目が免除になる
通訳案内士ドットコム

通訳案内士ドットコム 編集部

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