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『通訳案内士に合格するのって、実際どれくらい難しいんだろう』と気になっている方も多いですよね。
結論から言うと、JNTOの公表値では最終合格率は1割から1割半ほどで、年度によってかなり動きます。そして、筆記と口述の2段階のうち、多くの人は筆記で絞られています。
この記事では、合格基準とJNTOの公表している数字を並べて、どこが難しいのかを一緒に読み解いていきます。
通訳案内士試験に合格するには?まず合格基準を確かめよう
筆記は5科目それぞれに合格基準点があり、すべて届けば合格です。口述は5つの評価項目で見られ、合格基準点は原則7割です。
通訳案内士試験の合格は、筆記(第1次)と口述(第2次)の両方に受かって決まります。それぞれの基準を先に知っておくと、合格率の数字も読みやすくなるんです。
筆記試験の合格基準
筆記は5科目で、すべてマークシート方式です。2026年度の施行要領では、合格基準点は次のとおりでした。
| 科目 | 満点 | 合格基準点(原則) |
|---|---|---|
| 外国語 | 100点 | 70点 |
| 日本地理 | 100点 | 70点 |
| 日本歴史 | 100点 | 70点 |
| 一般常識 | 50点 | 30点 |
| 通訳案内の実務 | 50点 | 30点 |
合否は合計点ではなく、科目ごとに見られます。『外国語は満点近く取れたのに…』という場合でも、ほかの1科目が基準に届かなければ筆記は不合格なんです。
なお、平均点が基準点から大きく離れた科目は、あとから合格基準が調整されることがあります。ただし事前には分からないので、原則の基準点を目標にしておきましょう。
口述試験の合格基準
口述試験は10分程度で、外国語訳と質疑、プレゼンテーションと質疑の2題です。評価項目はプレゼンテーション、コミュニケーション、文法及び語彙、発音及び発声、ホスピタリティの5つで、合格基準点は原則7割とされています。
筆記と口述、どちらも「7割前後」がひとつの目安になっているのが分かりますよね。科目ごとの中身は筆記試験の5科目の記事、口述の流れは二次試験(口述試験)の記事で詳しく紹介しています。
免除を使うと、合格までの道のりはどう変わる?
英検1級や歴史能力検定などで免除になった科目は、当日受ける必要がありません。残りの科目で合格基準点に届けば、筆記を通過して口述に進めます。
前年度の筆記で合格した科目も、次の年度に限り免除を申請できます。たとえば1年目に3科目、2年目に残りの2科目、という形で筆記を通過する道もあるんです。
ただし、どの免除も自動では適用されないので、毎年の願書申請期間に申請しておきましょう。詳しくは免除制度の記事で紹介しています。
合格するともらえる証書
最終合格者には、全国通訳案内士試験合格証書がマイページで交付されます。郵送で届くことはないので、合格発表のあとはマイページを確かめてみてください。
最終的に不合格だった人でも、筆記5科目をすべて受けて合格していれば、筆記試験合格証書が交付されます。ただし、1科目でも免除があった場合は交付されません。
合格率はどれくらい?JNTOの公表値を3年分見てみよう
JNTOの公表値では、最終合格率は2023年度12.0%、2024年度10.0%、2025年度14.7%です。同じ試験でも、年度によって数ポイントの差があります。
まずは、JNTOが公表している受験者数と合格者数を、そのまま並べてみますね。受験者数には、筆記試験が免除になった人も含まれています。
| 年度 | 受験者数 | 第1次合格者数 | 第1次合格率 | 第2次受験者数 | 第2次合格率 | 最終合格者数 | 最終合格率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年度 | 3,638 | 785 | 22.7% | 901 | 48.4% | 436 | 12.0% |
| 2024年度 | 3,849 | 686 | 18.0% | 732 | 52.6% | 385 | 10.0% |
| 2025年度 | 3,987 | 1,071 | 27.6% | 1,162 | 50.3% | 585 | 14.7% |
この表を見ると、受験者数は3年続けて増えています。一方で、第1次合格率は18.0%から27.6%まで、年度によって大きく動いているんです。
1年分の合格率だけを見て「簡単になった」「難しくなった」と決めつけるのは早計です。複数の年度を並べて、幅で見るようにしましょう。
3年分を並べて見えること
3年分を並べると、最終合格者数は385人から585人までの幅があります。第2次合格率がほぼ5割で安定しているのに対して、第1次合格率は年度ごとの動きが大きいのが分かりますよね。
つまり、最終合格率の上下には、筆記の結果が強く関わっているということです。数字を見る時は、最終合格率だけでなく、第1次と第2次の合格率も一緒に見るようにしてみてください。
「合格率が低い=自分には無理」ではない
『1割しか受からないなら、自分には無理かも』と感じる方もいるかもしれません。ただ、この試験は年齢・学歴・国籍に関係なく誰でも受けられます。
準備が十分でないまま試しに受ける人も、受験者数には含まれています。合格率は「自分が受かる確率」ではなく、試験全体の結果だと考えておくと気持ちが楽になりますよ。
筆記と口述、どこで絞られる?2段階に分けて読んでみよう
JNTOの公表値を段階ごとに見ると、筆記の合格率は2割前後、口述の合格率は5割前後です。多くの人が絞られるのは筆記の段階なんです。
最終合格率だけでは、どこが難しいのかは見えてきません。そこで、2025年度の数字を、試験の流れに沿って段階ごとに並べてみました。
| 段階(2025年度) | 人数・割合(JNTOの公表値) | 読み取れること |
|---|---|---|
| 受験者 | 3,987人 | 筆記免除者を含む全体の数 |
| 第1次(筆記)合格 | 1,071人・27.6% | 4人に1人ほどが筆記を通過 |
| 第2次(口述)受験 | 1,162人 | 前年度の筆記合格者が加わり、第1次合格者より多い |
| 第2次(口述)合格率 | 50.3% | 口述を受けた人の約半数が合格 |
| 最終合格 | 585人・14.7% | 受験者全体から見た最終的な合格の割合 |

第2次の受験者数が多いのはなぜ?
表を見て『あれ、第1次合格者より第2次受験者のほうが多い?』と思った方もいるはずです。これは、前年度に筆記に合格して口述で不合格だった人が、翌年度は筆記免除で口述から受けるためなんです。
JNTOの数表にも「受験者数には筆記試験免除者数を含む」と注記されています。2023年度と2024年度も、同じように第2次受験者数のほうが多くなっています。
筆記を越えても、口述は約半分
段階で見ると筆記が大きな関門ですが、口述も油断はできません。3年分のどの年度でも、第2次合格率は5割前後です。
口述では、外国語訳とプレゼンテーションの2題を約10分でこなします。知識があっても、その場で外国語にして伝える練習をしていないと、思うように話せないことがあるんです。
『筆記に受かったら、あとは何とかなる』とは言えない数字ですよね。筆記の勉強をしながら、話す練習も早めに始めておくことが、最終合格への近道になります。
- 筆記は、5科目すべてで基準点を超えることを目標にする
- 苦手科目を残さないよう、過去問で科目ごとの点数を把握する
- 筆記の結果を待つ間に、口述の話す練習を始めておく
- 口述で不合格だった時は、翌年度の筆記全体の免除を申請する
自分はどの段階でつまずきやすい?
同じ受験者でも、どの段階が壁になるかは人によって違います。今の自分に近いタイプを探して、準備の重点を決めてみてください。
| 今の状況 | つまずきやすい段階 | 重点を置きたい準備 |
|---|---|---|
| 語学は得意だが、地理や歴史の勉強はこれから | 筆記(日本地理・日本歴史) | 過去問で観光地と時代の出題をつかむ |
| 地理や歴史は好きだが、語学に自信がない | 筆記(外国語)と口述 | 読解と和文外国語訳、話す練習を毎日少しずつ |
| 筆記は通ったが、口述で不合格だった | 口述 | 質疑の受け答えと、ホスピタリティを意識した練習 |
| 勉強時間が限られている | 筆記の全科目 | 免除を使える科目を確かめ、残りの科目に時間を集める |
『自分は全部の段階が不安…』という方も、まずは過去問で点数を見ることから始めると、どこから手をつけるかが決まってきますよ。
言語別の結果から見えること
言語によって受験者数も合格率も大きく違います。ただし受験者が少ない言語は、数人の差で合格率が大きく動くので、割合だけで難しさを比べないようにしましょう。
全国通訳案内士試験は10言語で行われています。2025年度の言語別の結果を、JNTOの公表値から並べてみますね。
| 言語(2025年度) | 受験者数 | 最終合格者数 | 最終合格率 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 3,180 | 500 | 15.7% |
| 中国語 | 268 | 29 | 10.8% |
| フランス語 | 146 | 4 | 2.7% |
| スペイン語 | 118 | 20 | 16.9% |
| 韓国語 | 82 | 12 | 14.6% |
| イタリア語 | 55 | 4 | 7.3% |
| ドイツ語 | 47 | 9 | 19.1% |
| ロシア語 | 35 | 0 | 0.0% |
| ポルトガル語 | 34 | 4 | 11.8% |
| タイ語 | 22 | 3 | 13.6% |
受験者のほとんどは英語です。英語以外の言語は受験者数が数十人から数百人なので、1人の合否で合格率が大きく変わります。
英語・中国語・韓国語を3年分並べると
受験者が比較的多い3言語について、3年分の最終合格率を並べてみました。こちらもJNTOの公表値です。
| 言語 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|
| 英語 | 12.9%(受験2,764・合格357) | 10.0%(受験3,022・合格303) | 15.7%(受験3,180・合格500) |
| 中国語 | 9.7%(受験319・合格31) | 11.7%(受験264・合格31) | 10.8%(受験268・合格29) |
| 韓国語 | 11.5%(受験87・合格10) | 10.6%(受験85・合格9) | 14.6%(受験82・合格12) |
中国語と韓国語は、合格者数が毎年ほぼ同じくらいです。英語は2025年度に合格者が大きく増えていて、その年の第1次合格率の高さとも重なっています。
合格率の高い言語を選べば受かりやすい、というものではありません。試験は選んだ言語で筆記と口述を受けるので、自分がいちばん力を出せる言語を選ぶのが基本です。言語ごとの違いは外国語10言語の記事で紹介しています。
英語以外の言語で受ける人が知っておきたいこと
英語以外の言語で受ける方は、会場と免除の条件も確かめておきましょう。口述試験の会場は、中国語・韓国語なら東京近郊、大阪近郊、福岡市ですが、それ以外の言語は東京近郊だけです。
また、ポルトガル語・ロシア語・タイ語は、ほかの試験による外国語の免除がありません。中国語は中国語検定試験1級やHSK6級180点以上、韓国語は「ハングル」能力検定試験1級やTOPIK6級など、言語ごとに免除になる検定が決まっています。
合格について、よくある相談に答えます
知恵袋などでよく見かける合格にまつわる相談を3つ選び、公式の情報をもとに答えていきます。
「言語によって合格率がバラバラなのはなぜ?」
閲覧数の多い相談です。上の表のとおり、英語以外の言語は受験者数が少ないため、数人の合否の差が合格率に大きく出ます。
たとえば2025年度のロシア語は受験者35人で合格者0人、ドイツ語は47人で9人でした。こうした数字は、その年の受験者の顔ぶれでも変わるので、1年分だけで「この言語は難しい」と決めないほうがいいですよ。
言語ごとの難しさを知りたい時は、合格率よりも、JNTOの過去問ページで自分の言語の問題を実際に見てみるのがおすすめです。外国語の科目は言語別にPDFで公開されているので、問題の量や形を自分の目で確かめられます。
「思ったより読めた」「和文外国語訳で手が止まった」など、解いてみて初めて分かることがたくさんあるはずです。
「国家試験の全国通訳案内士は、合格しやすいですか?」
合格のしやすさは、今の自分の力と準備の量によって変わります。数字としては、JNTOの公表値で最終合格率は1割から1割半ほどです。
大事なのは、自分にとってどの科目が壁になりそうかを知ることです。JNTOの過去問を1回分解いてみると、合格基準点との差がはっきり見えて、「何をどれだけやればいいか」が具体的になります。
たとえば日本地理が50点なら、基準点の70点まであと20点です。「30問程度のうち、あと何問正解すればいいか」と考えると、ぐっと現実的な目標に見えてきますよ。
「合格したら、どこの都道府県に登録するの?」
合格したあとは、住んでいる都道府県の知事に登録を申請します。施行要領では、最終合格者が全国通訳案内士として認定されるには、居住地の都道府県知事あてに申請し、登録する必要があるとされています。
登録に期限はありません。京都府のように登録事務を関西広域連合に移している府県もあるので、お住まいの都道府県のページで窓口を確かめてみてください。手続きの流れは登録手続きの記事でまとめています。
合格に近づく学び方を選ぼう
合格率の数字よりも大事なのは、自分の弱い科目と、口述の準備の進め方です。独学で進めるか、講座や英会話を組み合わせるかを、自分の状況から選びましょう。
数字を見てきましたが、最後は自分の準備の話です。合格に近づくために、まず手を動かせることから始めてみてください。
- JNTOの過去問を本番の時間どおりに1回分解く
- 科目ごとに、合格基準点との差を書き出す
- 免除を使える科目がないかを確かめる
- 差が大きい科目から、週ごとの勉強時間を決める
- 筆記の勉強と並行して、観光地を外国語で説明する練習を始める

計画の立て方は勉強法の記事で、試験日から逆算するやり方を紹介しています。
独学で進めるか、講座や英会話レッスンを使うか
公式の資料と過去問がそろっているので、独学でも合格は目指せます。自分で計画を立て、続けられる方なら、独学は十分に正当な選択です。
独学が向いているのは、たとえばこんな方です。
- 自分で決めた計画を、毎週こつこつ続けられる
- 過去問の解説を読んで、間違えた理由を自分で調べられる
- 話す練習の相手を、家族や知り合いの中で見つけられる
当てはまる方は、まずは公式の資料と過去問だけで1か月ほど進めてみてください。そのうえで足りないと感じたところだけ、講座やレッスンを考えれば十分です。
一方で、こんな場面では講座やレッスンを使うと進めやすくなります。
- 口述試験の練習で、外国語で話す相手がいない
- 和文外国語訳を添削してくれる人がいない
- 勉強できる時間が限られていて、むだなく進めたい
- 何から始めればいいか、自分で決められない
講座を比べたい方は講座・予備校の選び方の記事を、話す練習だけを補いたい方はオンライン英会話の使い方の記事を読んでみてください。足りない部分だけを借りるつもりで選ぶと、無理なく続けられます。
通訳案内士ドットコム
独学に不安があるなら、講座やオンライン英会話を比べてみませんか
和文外国語訳の添削や口述試験の練習相手など、独学では用意しにくい部分だけでも講座やオンライン英会話を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。
講座の選び方通訳案内士の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。
合格したあとの流れも知っておこう
合格はゴールではなく、全国通訳案内士として働くためのスタートです。合格してからの流れを、ざっくり押さえておきましょう。
- マイページで合格証書を確かめる
- 住んでいる都道府県に登録を申請し、登録証の交付を受ける
- 必要に応じて、関係団体の新人研修会への参加を考える(任意)
- 登録後は、5年に1度の通訳案内研修を受ける
関係団体の新人研修は、各団体が任意で行う独自の研修で、受けなくても登録には影響しません。一方で、5年ごとの通訳案内研修は受講が義務になっています。
よくある質問
通訳案内士試験の合格率はどれくらいですか?
JNTOの公表値では、最終合格率は2023年度12.0%、2024年度10.0%、2025年度14.7%です。年度によって数字が動くので、複数年で見るのがおすすめです。
筆記試験の合格基準点は何点ですか?
原則として、外国語・日本地理・日本歴史は100点満点中70点、一般常識と通訳案内の実務は50点満点中30点です。すべての科目が基準点に届くと筆記合格になります。
口述試験の合格基準は?
ガイドラインでは、評価項目はプレゼンテーション、コミュニケーション、文法及び語彙、発音及び発声、ホスピタリティの5つで、合格基準点は原則7割とされています。
合格発表はいつ、どこで見られますか?
2026年度の最終結果は2027年1月22日に発表予定で、官報に合格者が載り、マイページでも公開されます。
自分の得点を問い合わせることはできますか?
できません。施行要領では、試験得点や合否の照会、採点についての問い合わせには応じないとされています。
まとめ
- 筆記は科目ごとの合格基準点、口述は原則7割が合格の目安
- JNTOの公表値で最終合格率は1割から1割半ほど、年度で大きく動く
- 多くの人が絞られるのは筆記で、口述も約半数が合格
- 英語以外の言語は受験者が少なく、合格率の数字が動きやすい
- 合格率より、自分の弱い科目と口述の準備を見ることが大事





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