通訳案内士の英語試験|出題形式と必要な英語力の目安

通訳案内士の英語試験の出題形式と必要な英語力を紹介する記事のアイキャッチ

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『通訳案内士の英語って、どんな問題が出るの?英検1級くらいないと無理?』と気になっている方も多いですよね。

結論から言うと、通訳案内士の英語試験は「英語で日本を説明する力」を見る試験です。筆記は4つの大問、口述は通訳とプレゼンテーションの2題で、それぞれに合った練習のしかたがあります。

この記事を読むと、大問ごとに何が問われ、どう練習すればいいか、英検やTOEICの免除とどう付き合えばいいかが分かります。

目次

通訳案内士の英語試験とは?筆記と口述の全体像

先に結論

全国通訳案内士試験の英語は、筆記試験(第1次)の「外国語」と、口述試験(第2次)の2段階で問われます。筆記は90分・100点満点で合格基準点は原則70点、口述は10分程度で合格基準点は原則7割です。

全国通訳案内士試験では、英語を含む10言語から1つを選んで受けます。英語で受ける場合、筆記の外国語と口述試験の両方が英語になるんです。

資格の全体像は通訳案内士とは?の記事で紹介しています。ここでは英語の試験に絞ってお話ししますね。

項目筆記試験(外国語・英語)口述試験(英語)
2026年度の日程8月16日(日)11時〜12時30分11月29日(日)
時間90分10分程度
満点・合格基準点100点満点・原則70点合格基準点は原則7割
形式マークシート方式(多肢選択式)試験委員との対面のやりとり
中身読解・英文和訳・和文英訳・英語での説明通訳と質疑・プレゼンテーション
受験地札幌市・仙台市・東京近郊・名古屋市・大阪近郊・広島市・福岡市・沖縄県東京近郊・大阪近郊・福岡市

英語は口述試験の受験地が3か所あります。英語・中国語・韓国語以外の言語は東京近郊だけなので、英語は比較的受けやすい場所を選べるんです。

英語で受ける人の合格率はどれくらい?

『英語の合格率って、どのくらいなの?』と気になりますよね。JNTOの公表値では、英語の最終合格率は次のとおりでした。

年度英語の受験者数英語の最終合格者数英語の最終合格率
2025年度3,18050015.7%
2024年度3,02230310.0%
2023年度2,76435712.9%

受験者数には、筆記試験が免除された人も含まれています。合格率は年度によって変わるので、1つの年の数字だけで難しさを決めつけないことが大切です。

英語の筆記がある日の流れ

2026年度の時間割では、英語を含む外国語が午前11時から12時30分でした。そのあと13時40分から日本地理、14時40分から日本歴史と続き、最後の通訳案内の実務は16時50分に終わります。

英語の90分で集中力を使い切ると、午後の科目がつらくなることも。過去問を解く時は、英語のあとに地理や歴史も続けて解く日を作り、本番の1日を体で覚えておくと安心です。時間割は変わる場合があるので、受ける年度の施行要領と受験票で確かめておきましょう。

数字の見方

英語は10言語の中で受験者がいちばん多い言語です。2025年度の受験者数は全体で3,987人、そのうち英語が3,180人でした(JNTOの公表値)。

英語の筆記試験は4つの大問:必要な力と練習方法

ここが大事なところです

英語の筆記試験は、読解(40点程度)、英文和訳(20点程度)、和文英訳(20点程度)、英語での説明(20点程度)の4題が基準です。どの大問も「日本のことを英語で扱う」力につながっています。

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。観光庁のガイドラインでは、外国語の筆記は読解力、日本文化などの説明力、語彙力などの総合的な力を問うとされています。

4つの大問を、必要な力と練習方法に対応させた表にしてみました。

大問(配点の基準)主に必要な力家でできる練習方法
読解(40点程度)長めの英文の要点を素早くつかむ力日本の観光や文化を扱った英文を時間を計って読む
英文和訳(20点程度)英文の意味を自然な日本語でとらえる力読んだ英文の1段落を日本語に直し、意味のずれを確かめる
和文英訳(20点程度)日本語の観光案内を英語にする力観光パンフレットの一文を英語にして、言い換えを考える
英語での説明(20点程度)日本の文化や習慣を英語で説明する力身近な行事や食べ物を英語で3文にまとめる
英語の筆記試験の4つの大問と必要な力・練習方法を対応させた図解

『マークシートなのに、和訳や説明ってどうやって答えるの?』と思った方もいるはずです。全科目が多肢選択式なので、選択肢の中から正しい訳や適切な説明を選ぶ形で、その力が問われると考えておきましょう。

読解:40点程度でいちばん配点が大きい

読解は、4題の中でいちばん配点が大きい大問です。ここで点を落とすと、ほかの3題で取り返すのが大変になります。

練習では、日本の観光地や文化について書かれた英文を選ぶのがおすすめです。試験に出やすい話題に慣れておくと、知らない単語があっても話の流れから意味を推測しやすくなります。

読解の練習で意識したいこと
  • 時間を計って読み、1題にかかる時間を知る
  • 段落ごとに「何の話か」を日本語で一言メモする
  • 分からなかった単語は、観光・文化の分野ごとにまとめる
  • 同じ英文を数日後に読み直し、速くなったかを確かめる

英文和訳:意味を正しく取れているか

英文和訳では、英文の意味を正確に理解できているかが問われます。単語を1つずつ置き換えるより、文全体の意味をつかめているかが大事なんです。

たとえば、寺の歴史を説明する英文を読んだら、「いつ」「だれが」「何のために」建てたのかを日本語で言えるか試してみてください。選択肢を選ぶ時も、この3点が合っているかで判断しやすくなります。

和文英訳:観光案内の日本語を英語に

和文英訳は、日本語の文を英語にする大問です。観光案内に出てきそうな文が題材になると考えておくと、練習の方向が決めやすくなります。

たとえば「この通りには、江戸時代から続く店が並んでいます」という文。これを英語にする時、「江戸時代」をそのまま書くだけでは旅行者に伝わりにくいですよね。「およそ何百年前」などの補い方も考えておくと、口述試験の練習にもなります。

英語での説明:日本の文化を英語で伝える

英語での説明は、日本の文化や習慣などを英語で説明する力を見る大問です。4題の中で、通訳案内士の仕事にいちばん近い内容と言えます。

ふだんから、花見・温泉・お祭りなど身近なテーマを英語で3文にまとめる練習をしておきましょう。「それは何か」「どう楽しむか」「旅行者が気をつけること」の3つに分けると、説明が組み立てやすくなります。

たとえば花見なら、こんな3文が一つの形です。

3つの要素英語の例日本語の意味
それは何かHanami is the custom of enjoying cherry blossoms in spring.花見は、春に桜を楽しむ習慣です。
どう楽しむかPeople often have a picnic under the trees with friends.友人と木の下でピクニックをすることが多いです。
気をつけることPlease take your trash home and do not shake the branches.ごみは持ち帰り、枝はゆすらないでください。

完璧な英語を目指すより、まずは短く言い切ることを意識してみてください。同じ形で紅葉狩りやお祭りも作っておくと、口述試験のプレゼンテーションの準備にもつながります。

よくある失敗

読解ばかり練習して、和文英訳や英語での説明を後回しにしてしまうことがあります。配点は読解が大きいものの、残りの3題で合わせて60点程度あります。4題をバランスよく練習しておきましょう。

必要な英語力の目安は?英検1級・TOEICの免除ラインとの関係

先に結論

英検1級に合格しているか、TOEICの公開テストで所定の点数を取っていれば、英語の筆記試験は免除を申請できます。この免除ラインは、英語の筆記で求められる力の一つの目安と考えられます。

『どのくらい英語ができれば受かるの?』は、いちばん多い疑問かもしれませんね。英語の筆記には、点数で決まる「英語力の基準」は示されていません。

ただ、英語の筆記が免除になる資格は決まっています。2026年度の施行要領では、次のとおりです。

免除になる資格条件有効期限
実用英語技能検定1級に合格なし
TOEIC Listening & Reading(公開テスト)900点以上2026年度の試験では2025年4月1日以降の実施分
TOEIC Speaking Test(公開テスト)160点以上同上
TOEIC Speaking & Writing(公開テスト)Speaking 160点以上、または Writing 170点以上同上

TOEICは、得点を得た年度かその翌年度の試験までしか使えません。IPテストは対象外なので注意しましょう。免除制度の全体は免除制度の記事でまとめています。

免除を取るか、本試験で受けるか

免除を使うかどうかは、今の英語力と、ほかの科目にどれだけ時間を回したいかで考えるのがおすすめです。状況別に並べてみました。

今の状況考え方の例
すでに英検1級に合格している免除を申請し、日本地理・日本歴史などに時間を回す
TOEICの点数が900点に近い公開テストで基準を超えれば、その年度と翌年度に使える
英語の資格は特にない過去問で筆記の英語を1回解き、手応えを確かめる
和文英訳や説明が苦手免除を取っても、口述試験に向けて英語で話す練習は続ける
免除を使うメリット
  • 筆記の当日、英語の90分を受けなくてよい
  • ほかの4科目の勉強に時間を回せる
  • 英検1級なら有効期限を気にしなくてよい
免除を使っても残ること
  • 口述試験は英語で受ける
  • 英語での説明の練習は欠かせない
  • 毎年の願書申請で免除の申請が必要

『英語は免除になったから、もう英語の勉強はいらない』と考えるのは早いんです。口述試験は免除にならないので、英語で話す練習は続けておきましょう。

過去問で今の英語力を確かめる

JNTOは、過去の筆記試験問題の一部を解答例とあわせて公開しています。2022年度から2026年度までの年度別ページに、言語別・科目別のPDFがあります。

いちばん新しい年度の英語を、90分を計って1回分解いてみてください。どの大問で点を落としたかが分かれば、練習の優先順位もはっきりします。

英語の口述試験(二次試験)で求められること

先に結論

口述試験は10分程度で、日本語を英語に訳して質疑をする問題と、3つのテーマから1つを選んで英語で説明するプレゼンテーション問題の2題です。通訳案内の業務を試験の場で体験させる形で行われます。

筆記に合格したら、次は口述試験ですよね。英語で受けた人は、口述試験も英語になります。

問題中身練習のしかた
外国語訳と質疑試験委員が読み上げる日本語を英語に訳し、関連した質疑に答える日本語の短い案内文を聞いてメモを取り、英語で言い直す
プレゼンテーション3つのテーマから1つを選び、英語で説明して質疑応答する観光地や文化のテーマを選んで2分話し、質問を受ける

読み上げられる日本語は、メモを取ってよいとされています。メモの取り方も、ふだんの練習から意識しておくと本番で慌てません。

5つの評価項目を知っておく

口述試験の評価項目は、プレゼンテーション、コミュニケーション、文法及び語彙、発音及び発声、ホスピタリティの5つです。英語の正しさだけでなく、会話を続けようとする姿勢や、全国通訳案内士としての受け答えも見られます。

たとえば、質問の意味が分からなかった時のことを考えてみてください。黙ってしまうより、「Could you say that again, please?」と聞き返して会話を続けるほうが自然ですよね。こうした受け答えも、ホスピタリティやコミュニケーションの一部です。

プレゼンテーションのテーマに備える

口述試験の題材は、日本の観光地などに関わる地理・歴史・産業・経済・政治・文化の主な事柄のうち、外国人旅行者の関心が強いものです。テーマの分野ごとに、英語で話せるネタを1つずつ用意しておくと安心ですよね。

分野準備しておきたいネタの例英語で話す時のポイント
地理季節ごとに訪れたい地域場所と行き方をひとことで添える
歴史寺社や城の成り立ち年号より「どんな時代か」を伝える
文化茶道や祭り、温泉の入り方旅行者が体験する時の注意も話す
産業・経済地域の名産品や伝統工芸実際に見られる場所を紹介する
暮らし日本の食事のマナー理由を一言加えると伝わりやすい

ネタは多ければいいわけではありません。1つのテーマを2分話し、質問にも答えられるところまで深めるほうが、本番で役に立ちます。

口述試験の流れは二次試験(口述試験)の記事で詳しく紹介しています。

英語の口述試験の2題と5つの評価項目をまとめた図解

英語力の伸ばし方と、独学か講座かの考え方

先に結論

筆記は過去問と「日本を英語で説明する練習」、口述は声に出す練習が中心です。独学でも進められますが、話す相手や添削が必要な場面では、講座やオンライン英会話が役立ちます。

ここまで読んで、『結局、何から始めればいいの?』と思った方もいるはずです。英語で受ける人の練習を、試験の流れに合わせて順番にしてみました。

英語の準備の進め方
  1. 最新年度の過去問で英語を1回解き、大問ごとの得点を見る
  2. 点が低かった大問から、表の練習方法で毎日少しずつ進める
  3. 日本の観光地や行事を英語で3文にまとめるノートを作る
  4. ノートの内容を声に出して録音し、聞き返す
  5. 筆記が終わったら、プレゼンテーションと通訳の練習に切り替える

英語の勉強法をもっと具体的に知りたい方は、英語の勉強法の記事で読解・和訳・英語での説明の鍛え方を紹介しています。

1週間の練習の組み立て例

働きながら準備する方も多いですよね。平日は短い時間で、週末にまとめて練習する組み立ての一例です。

曜日練習の中身
月・水・金観光や文化の英文を読む(読解・英文和訳)
火・木観光案内の日本語を英語にする(和文英訳)
土過去問の英語を1回分、時間を計って解く
日身近なテーマを英語で説明して録音する

もちろん、これは一つの例です。自分の弱い大問の日を増やすなど、調整してみてください。

英語の筆記と口述に向けて勉強する机のノートと観光パンフレットの写真

独学で進めるか、講座や英会話レッスンを使うか

独学でも、過去問と録音を続ければ英語力は伸ばせます。自分のペースで進めたい人には、独学は十分に正当な選び方です。

一方で、講座やオンライン英会話が役立つのは、たとえばこんな場面です。

  • 口述試験の練習で、英語で質問してくれる相手がいない
  • 和文英訳を自分で直しても、自然な英語か分からない
  • 仕事や家事で、勉強に使える時間が限られている
  • 何から始めればいいか決められない

話す練習の相手がほしい方は、オンライン英会話の使い方の記事を見てみてください。講座の比べ方を知りたい方は、講座・予備校の選び方の記事が参考になります。

通訳案内士ドットコム

独学に不安があるなら、講座やオンライン英会話を比べてみませんか

和文外国語訳の添削や口述試験の練習相手など、独学では用意しにくい部分だけでも講座やオンライン英会話を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通訳案内士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

通訳案内士の英語でよくある相談

先に結論

英検1級との難しさの比べ方は人それぞれですが、通訳案内士の英語は「日本のことを英語で説明する力」が問われる点が特徴です。今の英語の免除ラインはTOEIC公開テストのListening & Readingで900点以上です。

ここでは、Yahoo!知恵袋でよく見かける英語試験の相談を、要約してお答えしますね。

相談1「英語の通訳案内士を取りたいけど、何から勉強すればいいか分からない」

閲覧数のとても多い相談です。試験の科目も多いので、どこから手をつければいいか迷いますよね。

おすすめは、JNTOの過去問で英語を1回解いてみることです。どの大問が苦手か分かれば、この記事の表を見て練習方法を選べます。

英語以外にも、日本地理や日本歴史などの科目があります。英語だけに偏らないよう、試験日から逆算して計画を立てておきましょう。

相談2「通訳案内士の英語は、英検1級の何倍くらい難しい?」

こちらも閲覧数の多い相談です。ただ、何倍と数字で比べることはできません。

英検1級は英語の力を幅広く見る試験です。通訳案内士の英語は、それに加えて日本の文化や観光地を英語で説明する力が問われます。

英検1級に合格すると英語の筆記は免除になりますが、口述試験は免除になりません。単語の量よりも、日本のことを英語で話せるかを意識して準備するのがおすすめです。

相談3「TOEICで英語が免除になるなら、筆記を受けるのとどちらが楽?」

よく見る相談ですが、少し前の情報をもとにしていることがあります。2026年度の施行要領では、TOEICの公開テストのListening & Readingで900点以上などが条件です。

どちらが楽かは、今の英語力や得意な分野によって変わります。TOEICの点数が基準に近いなら公開テストを受けてみる、遠いなら過去問で筆記の対策を進める、という考え方が分かりやすいですよ。

相談を読んで確かめたいこと
  • 最新年度の過去問で、英語の大問ごとの得点を確かめたか
  • 英検1級やTOEICの免除の条件と有効期限を知っているか
  • 免除を使う場合も、口述試験に向けた話す練習をしているか

よくある質問

通訳案内士の英語試験は記述式ですか?

筆記試験はすべてマークシート方式(多肢選択式)です。読解・英文和訳・和文英訳・英語での説明の4題が基準で、選択肢を選ぶ形で力が問われます。口述試験は試験委員と英語でやりとりします。

全国通訳案内士の英語の合格基準点は何点ですか?

筆記の外国語は100点満点で、原則70点が合格基準点です。口述試験は原則7割が合格基準点とされています。平均点によって事後的に調整されることもあります。

英検1級があれば英語の試験はすべて免除ですか?

免除になるのは筆記試験の英語だけです。口述試験は英語で受ける必要があるので、英語で話す練習は続けておきましょう。

英語の口述試験はどこで受けられますか?

英語の口述試験の受験地は、東京近郊・大阪近郊・福岡市です。会場と時間は、11月上旬頃に口述試験受験票で知らされます。

英語の過去問はどこで見られますか?

JNTOのウェブサイトで、過去の筆記試験問題の一部が解答例とあわせて公開されています。年度別・言語別・科目別のPDFで確かめられます。

まとめ

この記事の要点
  • 通訳案内士の英語は、筆記の外国語(90分・100点満点・原則70点)と口述試験で問われる
  • 筆記は読解・英文和訳・和文英訳・英語での説明の4題が基準
  • 英検1級やTOEIC公開テストの所定の点数で、英語の筆記は免除を申請できる
  • 口述試験は免除にならないので、英語で話す練習は欠かせない
  • まずは最新年度の過去問で、大問ごとの得点を確かめることから始める
通訳案内士ドットコム

通訳案内士ドットコム 編集部

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