通訳案内士の筆記試験(1次試験)|5科目の出題形式と合格基準

通訳案内士の筆記試験5科目の出題形式と合格基準を紹介する記事のアイキャッチ

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『通訳案内士の筆記試験って、どんな科目があって、何点取ればいいの?』と気になっている方も多いですよね。

結論から言うと、通訳案内士の筆記試験は5科目のマークシート方式で、科目ごとに合格基準点が決まっています。1科目でも届かないと、口述試験には進めません。

この記事では、5科目の出題形式と合格基準、そして免除を使った時に当日の科目がどう変わるかを、表を使って見ていきます。

目次

通訳案内士の一次試験(筆記試験)とは?

先に結論

全国通訳案内士試験の第1次が筆記試験です。外国語、日本地理、日本歴史、一般常識、通訳案内の実務の5科目を、1日で受けます。

全国通訳案内士試験は、筆記(第1次)と口述(第2次)の2段階です。通訳案内士の一次試験と呼ばれるのが、この筆記試験なんです。

筆記に合格した人と、筆記が免除される人だけが口述試験に進めます。つまり筆記は、合格までの最初の関門と考えるとイメージしやすいですよ。

項目2026年度の内容
試験日8月16日(日)
科目数5科目
方式すべてマークシート方式(多肢選択式)
受験地札幌市、仙台市、東京近郊、名古屋市、大阪近郊、広島市、福岡市、沖縄県
結果通知9月25日(金)予定(マイページ)

試験全体の流れは全国通訳案内士試験の全体像の記事でまとめています。この記事では、筆記試験の中身に絞ってお話ししますね。

1日で5科目を受ける時間割

2026年度の時間割は、外国語11時〜12時30分、日本地理13時40分〜14時10分、日本歴史14時40分〜15時10分でした。続いて一般常識15時40分〜16時、通訳案内の実務16時30分〜16時50分です。

朝から夕方まで、思った以上に長い1日になります。時間割は変更になる場合もあるので、受ける年度の施行要領と受験票で確かめておきましょう。

一次試験と二次試験はどうつながっている?

筆記の結果通知から口述試験までは、2026年度なら約2か月でした。口述試験は筆記と同じ外国語で受けるので、言語は申し込みの時点で1つに決まります。

『筆記が終わってから口述のことを考えればいい』と思いがちですが、2か月はあっという間なんです。筆記の勉強の合間に、観光地を外国語で説明する練習を少しずつ混ぜておくと、後半が楽になります。

5科目の出題形式と合格基準点を見てみよう

ここが大事なところです

外国語・日本地理・日本歴史は100点満点で70点、一般常識と通訳案内の実務は50点満点で30点が原則の合格基準点です。どの科目も「7割前後」が目安になります。

まずは5科目を1つの表に並べてみます。2026年度の施行要領と観光庁のガイドラインにもとづく内容です。

科目時間満点合格基準点(原則)問題数・形式
外国語90分100点70点読解・和訳・外国語訳・外国語での説明の4題が基準
日本地理30分100点70点30問程度(地図や写真の問題も)
日本歴史30分100点70点30問程度(地図や写真の問題も)
一般常識20分50点30点20問程度
通訳案内の実務20分50点30点20問程度
通訳案内士の筆記試験5科目の時間・満点・合格基準点を並べた図解

1問にかけられる時間はどれくらい?

時間と問題数を並べると、日本地理と日本歴史は30分で30問程度、一般常識と通訳案内の実務は20分で20問程度です。どの科目も、1問あたり約1分で解いていく計算になります。

迷った問題に時間をかけすぎると、最後まで解き終わらないことも。過去問を解く時は、タイマーを使って「1問1分」のペースを体に覚えさせておきましょう。

本番のペースをつかむ練習
  • 過去問を本番と同じ時間で解く
  • 迷った問題には印をつけて、先に進む
  • 最後に見直す時間を数分残す
  • 時間が足りなかった科目をメモしておく

外国語:読む・訳す・説明するの4題

外国語は90分で、読解1題(40点程度)、外国語文和訳1題(20点程度)、和文外国語訳1題(20点程度)、外国語での説明1題(20点程度)が基準です。読解力だけでなく、日本の文化などを外国語で説明する力や語彙力もあわせて見られます。

たとえば「この寺は古くから桜の名所として知られています」のような観光案内の一文を、自分で外国語にしてみる練習がおすすめです。ふだんから、好きな観光地を外国語で2〜3文にまとめる練習をしておくと、和訳と説明の両方に役立ちます。

『マークシートなのに、外国語で説明する問題ってどういうこと?』と思いますよね。形式は多肢選択式なので、説明として正しいものや適切なものを選ぶ形で、説明する力が問われると考えておきましょう。英語の場合の詳しい形は英語試験の出題形式の記事で取り上げています。

日本地理:観光地に関わる地理の知識

日本地理は30分で30問程度です。外国人観光客が多く訪れる場所や、評価の高い観光資源に関わる主な事柄が出題されます。

日本と世界との関わりも含まれるので、「どこに何があるか」だけでなく「なぜ海外から人が訪れるのか」まで押さえておくと役立ちます。覚え方は日本地理の記事で紹介しています。

日本歴史:今の暮らしにつながる歴史

日本歴史も30分で30問程度です。観光資源に関わる歴史に加えて、今の日本人の生活や文化、価値観につながる事柄も対象になっています。

たとえば寺社や城を案内する時に、その背景を説明できるかという視点です。観光地と結びつける勉強のしかたは日本歴史の記事で詳しくお話ししています。

一般常識:観光白書と時事問題

一般常識は20分で20問程度です。現代の日本の産業・経済・政治・文化の主な事柄が出題されます。

例として、試験の前年度に発行された「観光白書」のうち、外国人観光客を呼び込む主な施策や、旅行者の安全・安心に関わる知識が挙げられています。新聞の1面などで大きく扱われた時事問題も対象です。押さえ方は一般常識の記事でまとめています。

通訳案内の実務:テキストがはっきり決まっている科目

通訳案内の実務は20分で20問程度です。旅行業法や通訳案内士法などの関係法令、旅程管理の基礎、旅行者の国別・文化別の特徴、災害時の対応や危機管理の基礎が対象になります。

原則として、観光庁が令和7年4月に発行した「通訳ガイドテキスト(初版)」が試験範囲です。範囲がはっきりしているので、テキストを読み込めば対策が立てやすい科目なんです。読み方は通訳案内の実務の記事で紹介しています。

免除を使うと、当日の受験科目はどう減る?

先に結論

持っている資格や前年度の結果によっては、筆記の一部や全部が免除になります。免除が多いほど、当日受ける科目と試験会場にいる時間が短くなります。

筆記試験には免除制度があります。『自分の場合、当日は何を受けることになるの?』をイメージしやすいよう、よくある状況ごとに表にしてみました。

状況(2026年度の施行要領で考えた例)免除になる科目当日受ける科目当日のスタート
免除なしなし5科目すべて11時の外国語から
英検1級を持っている(英語で受験)外国語(英語)地理・歴史・一般常識・実務の4科目13時40分の日本地理から
英検1級と歴史能力検定 日本史2級を持っている外国語(英語)、日本歴史地理・一般常識・実務の3科目13時40分の日本地理から
旅行業務取扱管理者の試験に合格している日本地理外国語・歴史・一般常識・実務の4科目11時の外国語から
前年度に筆記5科目すべて合格筆記全体なし(口述から)筆記試験は受けない

この表のとおり、外国語が免除になると、当日は午後からのスタートになります。ただし受ける科目の時間割は年度で変わることがあるので、受験票で確かめてくださいね。

免除を使うと当日の受験科目がどう減るかを状況ごとに示した図解

免除の対象になる主な資格

科目ごとに、免除になる資格が決まっています。2026年度の施行要領で挙げられている主なものを並べてみます。

科目ごとの主な免除
  • 英語:実用英語技能検定1級、TOEIC公開テストの一定点数(IPテストは対象外)
  • 日本地理:総合旅行業務取扱管理者・国内旅行業務取扱管理者の試験合格
  • 日本歴史:歴史能力検定 日本史1級または2級、大学入学共通テスト「日本史B」60点以上など
  • 一般常識:大学入学共通テスト「現代社会」80点以上など
  • 通訳案内の実務:ほかの試験による免除はなし

旅程管理主任者(ツアーコンダクター)の資格は、日本地理の免除の対象外です。また「地理検定」という名前の検定も、免除の対象には挙げられていません。

前年度に合格した科目の免除

前年度の筆記で合格した科目は、次の年度に限り免除を申請できます。外国語は、同じ言語で受ける場合だけが対象です。

たとえば、前年度に日本地理と一般常識だけ合格した場合、翌年度はその2科目の免除を申請して、残り3科目に集中できます。ただし免除は自動ではなく、毎年あらためて申請が必要です。

よくある失敗

「去年受かった科目だから、今年は受けなくていい」と思い込んで、免除の申請を忘れてしまうケースがあります。免除は願書申請期間内に申請しないと使えません。

免除の一覧は、言語ごとの細かい条件も含めて免除制度の記事でまとめています。

合否はどう決まる?結果の受け取り方

先に結論

合否は合計点ではなく、科目ごとに判定されます。すべての科目が合格基準点に届いた人だけが、筆記試験の合格です。

筆記試験では、科目ごとに合格基準点が決まっています。合否は、すべての科目が基準点に達しているかどうかで判定されるんです。

『得意な外国語で高得点を取れば、苦手な歴史が少し低くても大丈夫かな』と考える方もいますよね。ただ、この試験ではそれができません。どの科目も基準点を目指す、という戦い方になります。

合格基準が調整されることもある

平均点が合格基準点から大きく離れた科目は、あとから合格基準が調整されることがあります。その年の問題が難しすぎたり易しすぎたりした時のための仕組みです。

ただし、調整があるかどうかは事前には分かりません。原則の基準点を目標にして準備しておくのが確実です。

結果はマイページで届く

2026年度の筆記試験の結果は、9月25日にマイページで通知される予定でした。科目ごとに基準に達したかどうかも知らされます。

なお、試験の得点や合否の照会、採点についての問い合わせには応じていません。自己採点をしておくと、結果が出る前に口述の準備を始めるかどうかの判断材料になります。

筆記試験合格証書について

最終的に不合格だった人でも、筆記5科目をすべて受けて合格していれば、筆記試験合格証書がマイページで交付されます。1科目でも免除があると、この証書は交付されません。

結果を受けて、次にどう動く?

結果によって、次にやることは変わります。迷わないよう、よくあるパターンを表にまとめました。

筆記の結果次にやること
5科目すべて合格11月の口述試験に向けて、話す練習に切り替える
一部の科目だけ合格翌年度に限り、合格した科目の免除を申請できる
すべて不合格過去問で基準点との差を見直し、翌年度の計画を立てる
筆記に合格し、口述で不合格翌年度は筆記全体の免除を申請し、口述から受けられる

どのパターンでも、翌年度の免除は自動ではありません。翌年度の願書申請期間に、忘れずに申請しておきましょう。

筆記試験について、よくある相談に答えます

知恵袋などでよく見かける筆記試験の相談を3つ選び、公式の情報をもとに答えていきます。

「通訳案内士は、英検1級の何倍くらい難しいですか?」

とても多く読まれている相談です。ただ、この2つは目的も科目も違うので、何倍と比べることはできません。

1つ言えるのは、英検1級を持っていると通訳案内士の英語の筆記が免除になることです。その場合、残るのは日本地理・日本歴史・一般常識・通訳案内の実務の4科目と、口述試験です。英語の力だけでは合格できない試験だと考えておきましょう。

逆に言えば、英語に自信がなくても、地理や歴史が得意な方には強みを生かせる場面がある試験です。「英検1級より上か下か」で考えるより、自分の得意と苦手を科目ごとに見てみるほうが、準備の方向が決まりやすいですよ。

「地理や歴史、一般常識はすべてマークシートですか?」

はい、筆記試験の5科目はすべてマークシート方式(多肢選択式)です。外国語も含めて、記述式の問題はありません。

ただ、地理と歴史では地図や写真を使った問題も出ます。文字だけで覚えるのではなく、地図帳や観光地の写真を見ながら勉強すると、本番で戸惑いにくくなりますよ。

「英語の免除に使う英検1級は、何年以内のものでないとだめですか?」

実用英語技能検定1級には、有効期限がありません。何年前に合格したものでも、免除の対象になります。

一方、TOEICには期限があります。2026年度試験の場合、2025年4月1日以降に実施された公開テストの得点が対象でした。得点を得た年度か、その翌年度の試験まで使える、と覚えておきましょう。

科目ごとの勉強の始め方と、講座を使うかどうか

先に結論

まずはJNTOの過去問を1回分解いて、科目ごとの今の点数を知ることから始めましょう。基準点との差が大きい科目から時間をかけるのが効率的です。

5科目もあると、何から手をつければいいか迷いますよね。そこで、最初の1か月で手を動かせる順番を並べてみました。

筆記対策の始め方
  1. JNTOの過去問ページで、最新年度の5科目を本番の時間どおりに解く
  2. 科目ごとに、合格基準点との差を書き出す
  3. 免除を使える科目がないかを確かめる
  4. 差が大きい科目から、週ごとの勉強時間を割り振る
  5. 通訳案内の実務は「通訳ガイドテキスト(初版)」を1章ずつ読む

科目別の最初の一歩

科目によって、最初にやるとよいことは違います。目安を表にしたので、参考にしてみてください。

科目最初の一歩
外国語過去問の和文外国語訳を解き、どこで手が止まるかを確かめる
日本地理地図帳を開き、過去問に出た観光地に印をつける
日本歴史観光地を1つ選び、関わる時代と出来事を書き出す
一般常識前年度の観光白書の目次を読み、主な施策をつかむ
通訳案内の実務通訳ガイドテキストの第1編を読む

苦手な科目別に、つまずきやすいところ

科目によって、つまずきやすいところも違います。「勉強しているのに点が伸びない」と感じたら、次のポイントを見直してみてください。

つまずきやすいところ
  • 地理と歴史を文字だけで覚えて、地図や写真の問題で迷う
  • 一般常識の時事問題を、試験直前にまとめて覚えようとする
  • 通訳案内の実務を「常識で解ける」と思い、テキストを読まずに受ける
  • 外国語の読解に時間を使いすぎて、最後の問題まで届かない

特に一般常識は、前年度の観光白書や新聞の大きな話題が対象です。週に1回、新聞の1面の見出しをメモしておくだけでも、直前の負担がずいぶん軽くなりますよ。

独学で進めるか、講座や英会話レッスンを使うか

筆記試験は、公式の資料と過去問を使えば独学でも十分に準備できます。自分で計画を立てて進められる人なら、まずは独学から始めてみるのもいい選択です。

一方で、こんな場面では講座やレッスンを使うと進めやすくなります。

  • 和文外国語訳を書いても、正しいか見てくれる人がいない
  • 5科目の勉強の順番を自分で決められない
  • 仕事や家事で、勉強できる時間が限られている
  • 筆記のあとの口述試験で、外国語で話す相手がいない

講座の選び方は講座・予備校の選び方の記事で、学び方ごとに比べています。口述に向けて話す練習も早めに始めたい方は、オンライン英会話を組み合わせるのも一つの方法です。

通訳案内士ドットコム

独学に不安があるなら、講座やオンライン英会話を比べてみませんか

和文外国語訳の添削や口述試験の練習相手など、独学では用意しにくい部分だけでも講座やオンライン英会話を使うと準備が進めやすくなります。学び方の比べ方と、資料請求で講座を選ぶ時のチェックポイントをまとめました。

講座の選び方通訳案内士の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。講座の内容・料金・受講期間は各講座の公式案内でご確認ください。

よくある質問

通訳案内士の筆記試験は何科目ですか?

外国語、日本地理、日本歴史、一般常識、通訳案内の実務の5科目です。すべてマークシート方式で、1日で受けます。

筆記試験の合格基準点は何点ですか?

原則として、外国語・日本地理・日本歴史は100点満点中70点、一般常識と通訳案内の実務は50点満点中30点です。平均点によっては事後に調整されることがあります。

通訳案内の実務の勉強には何を使えばいいですか?

原則として、観光庁が発行した「通訳ガイドテキスト(初版)」が試験範囲です。まずはこのテキストを読み、過去問で出題のされ方を確かめてみてください。

筆記試験はどこで受けられますか?

2026年度は札幌市、仙台市、東京近郊、名古屋市、大阪近郊、広島市、福岡市、沖縄県で行われました。具体的な会場は8月上旬頃に受験票で知らされます。

一次試験の結果はいつ分かりますか?

2026年度は9月25日にマイページで通知される予定でした。科目ごとに基準に達したかどうかも知らされます。

まとめ

この記事の要点
  • 通訳案内士の筆記試験(一次試験)は5科目のマークシート方式
  • 合格基準点は原則、100点満点の科目が70点、50点満点の科目が30点
  • 合否は科目ごとに判定され、1科目でも届かないと口述に進めない
  • 免除を使うと当日の受験科目が減り、外国語が免除なら午後からのスタートになる
  • まずは過去問で今の点数を知り、基準点との差が大きい科目から取り組む
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通訳案内士ドットコム 編集部

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